王の放蕩と見栄の不実用。シャンボール城

 週末にやることがないので世界遺産にもなっているシャンボール城とシャノンソー城を巡るバスツアーに申し込んでみた。片道2時間半。

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フランスで言うところの京都鎌倉のようなところだろうか。パリに都が移る以前、15世紀の政治の中心地で城が次々と建てられたロワール渓谷地域。その中でも最大の城だそうだ。

 

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塔が街のように林立する姿は迫力がある。

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シャンボール城は権勢を内外に示すために建てられたものの、フランソワ一世は狩猟の時など数回、在位中合計7週間ほどしか滞在していないのだという。街からも街道からも遠く、その不便さから滞在の度に2000人分の食糧、家具や調度品を運び入れる必要のある不便な代物だったらしい。見栄を重視した高い天井、大きな窓の為に暖房は効かず居住性は悪かったとか。なんだかその「用の美」の無さに興醒めしてしまった。

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 あたかも、何百年もの間、壮麗な調度品で彩られて使われてきた城のように思ってしまう。しかし実態は無人の期間が長く、近現代になって美麗に修繕された城とも言える。日本の木造建造物ならば廃墟の間にそれこそ朽ちてしまうが、石造りの建造物はストックとして残る点は何とも羨ましい。

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 レオナルド・ダ・ビンチを食客に招き、設計にも関与してもらったと言われるのがこの両者がすれ違うことなく昇降できるという二重螺旋階段。内側が柱だけで目隠しの壁がなければもっとドラマチックになったのではなかろうか。

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本丸の主塔は黒石で装飾的に作られている。

 

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ヴォールトが見事。

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この尖塔の屋根の形には惹かれる。そのまま多肉植物を植えられそうな形をしている。これが数本林立していたら面白いかもな。

 

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職人の技を感じさせる整然とした石板葺。凸型に湾曲させながら葺くのは大変そうだ。

 

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お前のことも忘れてはいないよ。