花の乱れ咲く動態展示の秀逸なシャノンソー城

橋の形をしたシャノンソー城。元々はシェール川にかかる製粉場だったものをシャルル8世の侍従が城に設え、さらにアンリ2世の所有となった後に妾のディアーヌ・ド・ポワチエが相当、手を入れて作り込んだらしい。

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絶大な影響力を持った愛妾が自らの慰めに愛着を持って手をかけて育てたものは一般的に素晴らしいものが多い。容姿と才覚で愛されながらも、その正当性の無さから苦悩も深く作り出される精神世界は繊細複雑になりやすいのかもしれない。

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歴代女性館主が織りなす歴史はドラマに溢れたもので、戯曲やら最近のテレビドラマやらにもなっているらしく、フランス人同僚にシャノンソー城に行ったことを話すと、フランソワ1世や愛妾ディアーヌ、正妻カトリーヌなどの名前が簡単に出てくる。日本で言うところの大奥、春日局などの知名度だろうか。

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シャノンソー城では至る所に花々がアレンジされていて、それが保存された史跡ではなく息づいた空間に感じさせてくれて素晴らしかった。

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日本にも豊かな生け花の文化があるわけで、自分の作品を見て欲しい、それなりの技量を持った生け花愛好者も多いと思われる。人の多く集まる文化財や史跡に常に篤志で花を生けてもらう仕組みを導入できないものか。1週間区切りにして、観光客に気に入った作品に投票してもらう。

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文化財や史跡は無償で空間を花で飾ってもらえる。

展示者は歴史的な建造物など非日常的空間で活ける経験が積め、なおかつ大勢に見てもらい、評価もされる。

そして観光客はより彩りのある空間を楽しむことができる。花で飾られることで魅力も集客力も上がるかもしれない。

そんな仕組みを作れないものか。

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こういう、まだ花も咲いていない緑や枝もうまくアレンジするところが好感が持てる。

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橋の上の回廊は舞踏会場として使われ、今は美術館のように展示がなされている。

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この巨大な焼き菓子型はそのまま、陶植木鉢の型に使えそうな気がする。クリニャンクールで売っていないか探してみよう。

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台所には猪や鹿を丸ごと一頭、吊り下げられる解体場があった。分厚い台の板が歪んでいた。重量物を置いて、さらにそこで斧や巨大な包丁を打ち下ろしていたのだろうか。

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ハンドルをくるくると回すと三連の豚や鶏の丸焼きが回しながら焼ける便利なシロモノ。バームクーヘンを焼くことはあっただろうか。

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なかなか歴史的価値の高い史跡の暖炉に火を入れるなんてことは珍しい。ああ、これだけ大きな暖炉を炊き続けてこの程度しか暖まらないのだな、ということがわかる。

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シャノンソー城をそのまま模して陶箱植木鉢として作ってみたい。橋状の土台が排水性に考慮された脚そのもの。

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桜だ。日本も咲いているだろうか。