脱皮蝉鉢 制作記録

制作過程まとめ。備忘録と改善点。

  • 赤土2号使用。焼成後重量1.5kg。
  • 光沢のある名ばかりの白マットではなく、光沢のない本当にマットな白釉薬を使いたい。
  • 翅脈の縁を翅に滑らかに均すべきだった。
  • 羽化した上体の翅脈にもトルコ青結晶をかけてもよかった。
  • 3つの単眼を紅くしてはどうか。

 

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もっと腰が高く、「く」の字に曲がっているほうが蝉の幼虫らしさが出るかもしれない。しかし上体を乗せるとなると頑強さと重量が必要となる。

 

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背中と翅の造形に満足できない。翅脈の作り方は削るのではなく、盛るべきなのだろうな。

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脱皮した上体をデフォルメして胴をツルツルに滑らかにしたのは自分では良かったと思う。ここも作りこんでしまうと、煩くなったと思う。

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ぬるりと脱皮して出てきた様子にしたい。

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 合体。下部が潰れることなく、上体がうまく嵌まり込んでくれた。

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写真の歪みもあるとはいえ、上体の方が大きく見えてしまう。寸法をシビアに合わせないと、脱皮したように見えなくなってしまう。

 

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 白化粧土を塗った。下地を白くすることで上から掛ける白マット釉の白さを際立たせる意図。この通りに焼きあがるならば、黒土が透けたこの状態も悪くないのだがな。

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 素焼き完了。同じ土で作っているものの、上体は白化粧によって白くなっている。この素焼きの色合いでも悪くはないが、素焼きはやはり脆いので釉掛けして焼きたい。

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上体は白マット釉、抜け殻は渋柿釉。

 

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さらに顔の上部にはトルコ青結晶釉を筆で厚く塗る。

 

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こちらが無事に1230度で酸化焼成した完成品。結合部にヒビが入ることもなく、釉薬もしっかりと乗ってくれた。

 

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顔の部分にも結晶がうまく析出してうまく有機的な雰囲気になってくれた。

 

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横から見た上下。

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これを作陶展で飾るために、樹木の花を乾燥させたものを差し込んだ。冬虫夏草のように見えてくれているだろうか。

 

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背中から。やはり背中には節の段々をつけずにシンプルに簡素化して正解だったように思う。くどくなりすぎたと思う。

 

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頭から二つに割れた蝉の抜け殻。

 

総じて完全な一点モノの植木鉢だが、それなりに満足度は高い。

 

ドライの植物を投げ入れて室内に飾るのも悪くはないが、自宅に持ち帰ったら土を入れてきちんと仙人掌を植え込みたい。マミラリア科の 姫春星あたりを背中から群生させてみたい。