上海便 まさかの出発9時間遅れ空港泊の悪夢

上海出張、まさかの出発9時間遅れ。

18:30発の飛行機のために16:30には羽田に着いていたのだが、17時ごろになって出発が23:00に遅延されたと発表される。

 

JALではなくANA便に乗るのでJALマイレージ会員のラウンジも使えない。混みあったフードコートの二人がけテーブルを見つけ、上司と対面して待つこと4時間半。遅延のお詫びに1000円のクーポン券が配られたのでそれを利用して神戸ビーフバーガーを食べて少しばかり元気を取り戻した。時折、唐突に仕事の質問が飛んでくるので気が休まらない。しかし1時間経ち、2時間も経つともう倦怠期のカップルばりに話すこともなくなってくる。

 

23:00を過ぎても搭乗が始まる気配もない。10分ほど焦らされた挙句、出発は3:30になる見込みと無情の宣告がなされた。9時間遅れか。疲労感がどっと出てくる。

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どうやら中国沿岸部は強い嵐でいくつか周辺の空港も閉鎖されたとのこと。目的地を変更して上海を目指す航空機によって混雑していた為に近距離からの上海行き離陸を制限していたらしい。欧州や米国など遠距離から向かっていた便も多数あるはずで、もしかしたら上海上空で旋回待機を余儀なくされたのかもしれない。離陸だけされて気流の悪い中で旋回待機されるよりは良かったと思うべきなのか。

 

ANAの若く綺麗なグラウンドホステスさんに「おれは空港に16時に着いているから出発まで10時間も待たされることになるんだぞ。わかってんのか」とネチネチ絡み続けるおっさんがいる。そんなの言わなくともわかってるって。解決能力のない相手、しかも反論しない相手とわかっていて怒りをぶつけるおっさんとか、全くもってしょうもない。暴れて警備員に連行されてくれ。

 

追加の1000円クーポンが配られたが、23:30になるともうレストランは閉まっている。毛布が支給され、各自空いたベンチを見つけて寝転がり出す。一気に難民キャンプのような状況になった。こういう時、混沌に慣れた中国人の方が諦めも受け入れも早いように感じるが気のせいだろうか。

 

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疲れているし2時間は寝られるかと思ったのだが、遅延アナウンスが定期的に大音量で流されて寝られない。小さい子供連れもいて気の毒だ。

 

3:40ごろ、ようやく搭乗が始まる。登場する機材は遠くに停められており、バスで長いこと移動することに。離陸は結局4時近かった。

 

現地時間5:50ごろ上海浦東空港に着陸。これまたどこか遠くに停められたようで、機内で送迎バスを随分と待たされた。飛行機から降りる際に遅延のお詫びとして200元の現金が入った封筒が配られた。3000円程度をもらってもねえ。まあ、ないよりはましか。

 

イミグレーションでも1時間以上の大行列に立ちっぱなしで、結局、空港を出られたのは7:30。ホテルまでも朝の渋滞に捕まって倍の100分かかってしまった。f:id:mangokyoto:20190829225140j:plain

ホテルは定宿のグランドハイアットの75階、今回は外灘側の部屋だった。テレビ塔、租界、豫園が眺められる。2日目まで全く景色を見る余裕もなかった。

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同行している私の上司は今年で60歳になった。欧州から来て日本に2日滞在した後なのでまだ時差ボケを引きづっているはず。朝の9時から15時までみっちり会議をした後の空港移動なので相当、体力的にしんどいはずだ。それでもイライラを表情に出したり、私に愚痴ったりしない。本心では思っているだろうが「これだから中国は嫌なんだよ」とか口に出されたら少し嫌いになっていたと思う。実際は、あの子供可愛いな、とか爺さんに席座りますか、と声かけていたりと紳士。私にも22時を過ぎてからは仕事の話は一切しなくなった。疲労困憊した際や困難な時ほど人間は地が露わになるものだと思っている。その点では、今回の件で上司を大きく見直した。上司は上司で、礼儀正しく最後までテキパキと対応し、航空会社に非はないのにクーポンを出したり毛布を配ったり現金を配ったりと対応を続けるANAに感心していた。


夜の会食に関しても朝の時点では、寝不足でしんどすぎるので体調管理の為に上司と私の2人ともキャンセルしようと言っていた。中国チームにキャンセルの旨を伝えたら、欧州の上司は仕方ないとしても、私だけでも顔を出してくれと言われてしまった。上司には予約も声掛けも既にしているようなので私だけ参加するので上司はホテルに早く帰って休んでくれと言ったら、それは申し訳ないから自分も出るという。結局、2時間遅れでスタートして8時間ぶっ続けの会議をし、会食には2時間が費やされた。会食中も準備に対する労いの言葉も欠かさないし、不機嫌に言葉少なになることもなく、料理を褒めながら中国の昨今の情勢への関心も示したりと気遣いを見せていた。人間性はこういう時に試される。


上司の立ち居振る舞いに感心するとともに、60歳にもなってこんな働き方を自分もしないといけないかもしれないと思ったらとんでもない疲労感に襲われた。



 

到着10時間遅れはしんどかった。旅行が大好きな私だが、中国に家族旅行で来たいと思わない。何故かと考えると

  • 子供を連れてきて、今回のような事態に巻き込まれることを考えると恐ろしい
  • 行列にならばされることが多く、後ろの中国人に何度も押されるのが不快感が積み重なってくる
  • リラックスしたという経験や実感が得られなさそうに思う
  • 中国の口座に紐づけられたAlipayやなんかを持っていない外国人にはあらゆるものが不便。タクシーはクレジットカードが使えず現金がないといけないし、それを降ろすATMは減る一方。あっても何故か使えないことも多い。
  • 観光地は人の山で風情がないことが多い
  • 予定通りにいかないことが多い。