エケベリア植込用の六陵鸞鳳柱鉢の造形。

小さな植木鉢ならば市販品がそこら中に溢れている。100円ショップにすら陶器鉢は売られている。折角ならば、自ら作陶しているからこそと言えるワガママな鉢を作りたい。

 

そこでエケベリアを二十種類ぐらい一気に植え込める、かつ雑然と並べ置いたり寄せ植えたりするのではなく一株づつ鑑賞できる鉢を作ることにした。エケベリアサボテンの花に見立てて植え込める大きな柱サボテンにする。

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六陵の鸞鳳玉をイメージして作る。

 

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せっかくだから整い過ぎない顔のある鉢にしたい。実物の古木のように歪み、曲がりながらも全体としては形になっているのが良い。3箇所に枝を分岐させ、頭頂部付近に蕾も1つ。土の容量は減るが、好みで陵の谷間を深く深くした。陵に張りのあるふっくらとした柱サボテンにすると土の量が増え過ぎて排水性が悪くなる。

 

これでも上半分は陵の中に太い紐粘土を梁のように渡して、それを覆うには厚さ3mmのタタラで面を作って可能な範囲で軽量化している。紐作りよりも軽く作れている筈だ。

 

上半分をマグネシヤ釉、下半分は釉薬を剥がして焼締、土肌にしたい。底部周辺にはマンガン窯変釉をまだらに掛けて補強するのも良案と思われる。

 

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かなりの大きさの鉢になった。乾燥収縮する前で高さ50cm近い。赤土2号を5kg使用した。土を入れたならば、そう気軽には動かせない鉢の大きさになるだろう。ちなみに枝の1つは着脱式にしてある。

 

枝の先と頭頂には大輪のエケベリアを派手に植え込みたい。古紫、花うらら、リラシナ、パーティードレス、シャビアナらへんの多様な形や色の違いを楽しみたい。胴の無数の穴には小型のエケベリアの茎を差し込みたい。

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素焼きも本焼きも棚板を重ねられない、なんとも自分勝手な大鉢だ。無事に焼きあがるだろうか。南無三。