ようやく、水槽のエアフィルターに城カバーを設置することができた。おお、なかなかの存在感。
水中遺跡を泳いでいるようにも見えて悪くない。ランスの大聖堂のヴォールトを見て以来、作りたかったゴシック建築の一大発明ともいうべき翼壁。水が流れ込む構造には上手く適合する。
今のところ警戒して入る気配はないが、そのうち気の休まる穴蔵になってくれるだろう。
一晩経ったが大和沼蝦にも変化なし。陶肌には溶岩釉成分を加えて微細な穴をたくさん作っている。バクテリアを活着させて生体濾過機能を強化するためだ。陶肌を発泡させるためのシリコンカーバイド はそのままでは毒性が高いのだが、1230℃で焼成されることでガラス質に閉じ込められ、安定化している。溶け出すことも無さそうだ。 蝦は早速、城壁をよじ登ったり活発だ。
エアフィルターカバーとして機能しているのが写真から分かるだろうか。城の塔の横に無数に空いた窓からちゃんと空気が出ている。
世の中、少しばかりな徒長に嘆いてらっしゃる御仁が多いがこちらを見て欲しい。何の多肉植物か、一目で当てられる人は少ないのではないだろうか。
これでもかと徒長させたハオルチアオブトゥーサである。
それを水槽の上に渡した穴の開いた板から吊るし並べていく。10%ほど縮むことを想定していたのに、何故かあまり縮まなくて内側に嵌まらなかった。
十二の巻とオブトゥーサの3株。サボテンも植え込みたいが、日向に置くと藻が生えたり水質劣化が速いので日陰に置ける耐陰性の多肉植物がやはり良いだろう。ガステリアの水耕栽培はどうか。
エアーポンプから空気が絶えず供給され、酸素と水流もある。根に藻が生えたら蝦や貝が掃除してくれる。毛根を食べられないのならば多肉植物にとって生育環境は格段に良くなったと言えるのではないか。
「水槽陶芸」と勝手に名付けてみたが、多肉植物、観賞魚飼育、陶芸という愛好家の多い3ジャンルにまたがるこれは大きな魅力と潜在需要を持ったジャンルではなかろうか。
魚や貝が接触して焼け死なない為の目隠しを兼ねた水槽ヒーターカバーやリシアを活着させて楽しめる様々な形の陶器の建物など、創造は膨らむ。中に土を入れてテラリウムに使える多肉植物の植え込み鉢など。
鹿鉢
陶蟲夏草
水槽陶芸
ここしばらくはこれら3分野をテーマに絞って作陶していくとしよう。