秋晴れの気持ちの良い三連休最終日に東京海洋大学祭「海鷹祭」へ。
もう、山場というか、一番の論旨を手っ取り早く先に書いておきたい。
妻に「海鷹祭」の存在を教えてもらい、大王具足虫が食べられると書かれたWEB記事を見てこれは行かねばと思い立った。
水族館の人気者。ぬいぐるみになっていたりもする。
焼鳥とセットで1500円という完全にデリカテッセンというか珍味枠。だが川蝦の素揚げや焼いた蝦蛄に似た食感で臭みもなく美味しいらしい。一番手前がそれなのだが、案外小さい。残念ながら11時過ぎに着いたら、既に整理券が売り切れていた。
その場では、WEBの誤情報をもとにダイオウグソクムシと信じていたが、あまりに小さいし、本当にダイオウグソクムシだと量の確保があまりにも困難だろうと帰宅するまで疑問に思っていた。
高知新聞から引用。高知では居酒屋などでオオグソクムシを出す店もあるらしい。
なんでも東京海洋大学のオーケストラ部でも食用具足虫を下ろしている業者のツテがあるらしい。
他のサイト記事を見るとダイオウグソクムシと書いている記事が散見されるが日本近海で獲れるオオグソクムシと最大50cmまで巨大化し、鳥羽水族館で5年間も絶食しながら生き続けて話題をさらったダイオウグソクムシはその希少性も全く異なる。さて、オオグソクムシとダイオウグソクムシは味が違うのだろうか。どちらが美味しいのだろうか。
ああ、ダイオウグソクムシではなくとも、それでも食べてみたかったな。
他にもウナギ、蟹汁、海亀スープ、海鮮チヂミ、マグロの解体ショーやヅケ丼など魅力的な食べ物屋台だらけ。
次に向かったのが大学生が夏に泳ぐ水泳プール。ここが虹鱒の生簀になっていて500円で釣ることができる。
活きの良い虹鱒を釣ると
学生さんがその場で手際良く内臓を取り除いて塩を振って、家で焼くだけの状態に仕上げてくれる。これが心臓だよ、とドクドクと脈打つ小さな赤い塊を見せてくれて子供達は興味津々だった。
もう一つ、面白かったのが化石発掘体験。
カルデラ湖の底に体積した泥が化石化した泥岩の塊が用意されており、ゴーグル、軍手、タガネ、トンカチが用意されていて泥岩を割って中に高確率で閉じ込められている木葉の化石を発掘できる。
パカーンと割れて気持ちが良い。綺麗な木葉の化石が出てくると楽しい。5cm四方の石を500円で売っているのだから、学生さんにとってもなかなか良い活動資金稼ぎになるのではないだろうか。
深海魚の質の高いグリセリン標本や触れる標本も豊富で目に楽しかった。
美味しいネタもたくさん。
美術部の展示も東京海洋大学ともなると、船舶の水彩画などご中心で個性が光る。
中央ステージではコンサートが催されていたが、一番の盛り上がりは声の高いハコフグの被りものをした魚類学者の講演だった。その後の可愛らしいアイドルのパフォーマンスよりも客を集めていた。彼は海洋会のジャニーズといっても過言ではないかもしれない。
もう、人が多すぎて近づけなかった。話を聞きたかったのに残念。
写真部の展示も質が高い。
単なる学生の趣味だと思うのだがアルゼンチンオオゴキブリを販売していて、来場者に触らせてくれた。別に魚の餌というわけでもないし、やはり彼の趣味だと思う。雌雄のペアで200円という破格の値段。愛好者を増やしたいという善意の値段。
我が息子も怖がらずに掌に乗せて愛でていたので虫に偏見を持たない子に育っていて嬉しい。
普段は一般に公開されていない大学博物館も公開されていた。見事なタカアシガニの完全標本に惚れ惚れとする。
さらには巨大な完全な鯨の骨格標本も。
東京藝術大学といい、この東京海洋大学といい、専門性を持った国立大学の学園祭は個性が際立っていて楽しい。
大勢の卒業生が勤めている関係で魚の缶詰や干物が手頃な値段で売られているのも嬉しい。金目鯛の干物を買って家で焼いたら大層、美味だった。
来年は早起きして整理券を確保したい。