アート感漂う都立家政のカフェ「つるや」

f:id:mangokyoto:20240421181001j:image

入口からは内部が想像しづらい喫茶店「つるや」。都立家政駅前徒歩数分の立地の良さ。

f:id:mangokyoto:20240421180837j:image

ドアを抜け、半地下にあるのだが張り込みの庭と全面窓のおかげで店内は明るく開放感がある。半地下の光であるため、直射日光があたることもなく、雨粒がかかることもなく、常に安定した柔らかな明るさに包まれているところが美術館に併設されたカフェを想起させるのかもしれない。 池原義郎という建築家の手によるものらしい。なるほど、私では汲み取れないほどの様々な工夫が施されてこの素敵な空間が出来上がっているのだろうな。

f:id:mangokyoto:20240421180827j:image

天井が高いのも素晴らしい。
f:id:mangokyoto:20240421180833j:image

レトロな長いこと使われているであろう革張りの椅子はミッドセンチュリーの趣。誰か不埒な客がボールペンで線を何本か書いているらしく、店員の1人が溢れんばかりの怒気を発していた。「子供が描いたのかな」「大人の客の嫌がらせかも」「防犯カメラをみればどの客を特定でき。。」「器物損壊は20万円。。」そんな会話が厨房から聞こえてくる。
f:id:mangokyoto:20240421180820j:image

オムライスが人気メニューらしく注文してみた。ドリンクとセットで1300円前後だったか。
f:id:mangokyoto:20240421180830j:image
f:id:mangokyoto:20240421180841j:image

珈琲はクセがなくほっこりとする味。

 

客が悪さをしないか見張るような視線を送り続けると客もその視線は察知する。店を守る苦労のようなものを感じた。

 

店員さんは剣呑な雰囲気が治らないまま作った笑顔で「ありがとうございました」と客を見送る。客からは「接客はこうあるべき」「この値段ならこうで当然」のように勝手な期待値があったりする。いつでもニコニコ愛想良く接客して当たり前と勝手な期待も押し付けられる。おおらかな気持ちで客を歓迎するというのはとても大変なことだ。

今後の作品の方向性「風前塵」

人生の折り返しをすぎると虚無感との戦いだと思っている。

 

平家物語の冒頭は簡潔にしてこれ以上、一語として引く余地がない。

 

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、偏ひとへに風の前の塵におなじ。

f:id:mangokyoto:20240421174141j:image

人の一生も俯瞰してみれば蟲の一生とたいして変わらない。100年も経てばみな骸だ。200年前の経済的に成功した人、裕福だった人、不遇を嘆いて無くなった人、自分は志高く生きたと誇りに思って寿命を全うした人、それらを誰も覚えてなどいやしない。
f:id:mangokyoto:20240421174132j:image

昨日、今日に会った人、明日に会う人。通勤電車に同乗する人も上司も部下も飲食店の店員さんも自分が隠居生活に入った頃には覚えてもいない可能性は高い。現時点の生活の中で頭に浮かぶ人たちは60年後には生存すらしていないし誰も覚えていない人たちだと思っても差し支えないだろう。無常で虚しい世の中を私たちは生きている。少なくとも自分はそう思っているしその思いは年々強くなっている。その寂しさを前提に価値あるものを見出して行く。
f:id:mangokyoto:20240421174130j:image

そういうものをもっと凝縮して具現化した作品にしていかねば。

 

風前塵をテーマに据えて作っていこう。

企画展に陶器鉢を納品

f:id:mangokyoto:20240420130828j:image

舞台を作ってあげると映える気がする。自然造形でありながらも「もしも」をテーマにしているので現実にはありえない三葉虫やオパビニア、アンモナイト冬虫夏草が生えたらという想像の産物を作ってみた。ウサギノネドコ「もしも博物展」だけでしか作るつもりはない。
f:id:mangokyoto:20240420130824j:image

カンブリア紀の5眼の珍奇生物オパビニア
f:id:mangokyoto:20240420130831j:image

異常巻きアンモナイト
f:id:mangokyoto:20240420130837j:image

三葉虫
f:id:mangokyoto:20240420130814j:image

トゲトゲダンゴムシ
f:id:mangokyoto:20240420130821j:image

ミカヅキツノゼミ
f:id:mangokyoto:20240420130809j:image

ヨツコブツノゼミ
f:id:mangokyoto:20240420130834j:image


f:id:mangokyoto:20240420130818j:image

植物を植え込んだ作品もいくつか用意した。この蝉幼虫にはマミラリアサボテン。台座と苔マットはこの蝉幼虫のサボテン植え陶蟲夏草鉢の作品の一部とした。
f:id:mangokyoto:20240420130805j:image

博物標本よろしく名札をつけている。
f:id:mangokyoto:20240420130841j:image

陶蟲夏草鉢「ヨツコブとミカヅキ ツノゼミ」

f:id:mangokyoto:20240416063700j:image

ヨツコブツノゼミを作り直した。
f:id:mangokyoto:20240416063650j:image

鉢部分がつるつるすべすべでこれもまた良い。
f:id:mangokyoto:20240416063657j:image

しかしこうして見ると少し左に傾げてしまっている。もっと土を締めて乾燥途中でも矯正すれば良いのかもしれないけれども、素焼き時に土のくせで曲がるのでやはり難しい。
f:id:mangokyoto:20240416063703j:image

本物のヨツコブツノゼミを知らない人からしたら、なんでこんな造形にしたのだろうと不思議に思うのだろうな。
f:id:mangokyoto:20240416063653j:image

翅を破損させて、脚も欠損しているのだが朽ちた感じが伝わるかはわからない。
f:id:mangokyoto:20240416063706j:image

こちらはミカヅキツノゼミの作り直し。
f:id:mangokyoto:20240416063710j:image

正面から見ると烏帽子のように見える。
f:id:mangokyoto:20240416063717j:image

横顔も端正に作れたのではないだろうか。
f:id:mangokyoto:20240416063646j:image
f:id:mangokyoto:20240416063713j:image

ヨツコブが雷神の雷太鼓、ミカヅキが風神の風袋のようにも見えて、せっかくならば左右に2体を揃えて飾りたい陶鉢。

陶蟲夏草鉢「ダンゴムシ」 X 出雲大社藪椿

f:id:mangokyoto:20240416063229j:image

年をとるごとに椿が好きになってくる。しかもこの出雲大社藪椿のような筒咲きで一重の素朴で控えめで可憐な花に。出雲大社藪椿は原種に近い形を保っている品種でもある。
f:id:mangokyoto:20240416063236j:image

この赤は日本を代表する赤の一つではないか。その深みと濃さにおいて。
f:id:mangokyoto:20240416063233j:image

学名はcamellia japonica。日本原産の花。instagramで海外のcameliaの投稿を見ると、ほぼ全てが八重咲の量感豊かで花が塊のような派手な品種の写真だ。この出雲大社藪椿のようなシンプルな美しさの魅力が広まる日はいつ来るだろうか。

 

花言葉は「控えめな美」だそうです。
f:id:mangokyoto:20240416063226j:image

ちなみに、camelliaと検索すると女性の画像の方が多く出てくる。皆、カメリアさんという人名なのだ。日本にも椿さんがもっといて欲しい。日本だと椿は名前より苗字が多いのだろうか。女性でツバキさんなんて良いと思うのに。

陶蟲夏草鉢「三葉虫」 x 著莪

f:id:mangokyoto:20240407013842j:image

著莪の花が庭に咲く。Iris japonica。日本を代表するのは菖蒲や杜若ではなくこのシャガなのかもしれない。
f:id:mangokyoto:20240407013849j:image

三葉虫に三輪の著莪。

f:id:mangokyoto:20240416073214j:image

森の中に群生を見かけたりする。
f:id:mangokyoto:20240416073217j:image
原種なので人が世話することなくとも綺麗に咲かせる。
f:id:mangokyoto:20240407013839j:image
f:id:mangokyoto:20240407013835j:image
f:id:mangokyoto:20240407013846j:image

 

朝カフェ、おやつ、カキ氷「有馬屋おやつ店」

f:id:mangokyoto:20240415163007j:image

住宅街の中の民家にしか見えない。青梅街道から大宮八幡宮を繋ぐ松ノ木八幡通商店街は駅に至る道でもないので目的がない限りなかなか通りにくい。さらにそこから横にそれた住宅街の中にあるので今までノーマークだった。
f:id:mangokyoto:20240415162942j:image

別の方が住んでいた2階建木造民家を借り受けて営業されているカフェ。庭も贅を尽くした日本庭園というわけでもなく庶民の民家の庭だ。肩肘張らずにほっこりとできる。
f:id:mangokyoto:20240415162938j:image

玄関よりも庭から上がる人が多い。
f:id:mangokyoto:20240415162935j:image

壁やドアはリフォームすることなく昭和レトロそのままに使っていて独特の風情がある。
f:id:mangokyoto:20240415162952j:image

えらくセンスの良い昭和の人の家という風情。
f:id:mangokyoto:20240415163003j:image

家具も新たに持ち込んだものなのだろうけれども懐かしさを感じるクラシックさがある。60年代70年代という印象。
f:id:mangokyoto:20240415162930j:image
f:id:mangokyoto:20240415162956j:image
f:id:mangokyoto:20240415162945j:image

モーニングセットは珈琲、トーストかミニクロワッサン、キノコとベーコンのミルクスープで990円。スープなしなら550円。
f:id:mangokyoto:20240415162925j:image

週末も朝8:00から営業しているので善福寺川沿いをジョギングした後に立ち寄るのに都合が良い。
f:id:mangokyoto:20240415163000j:image
f:id:mangokyoto:20240415162921j:image

この開放感のあるダイニングルームが特等席。
f:id:mangokyoto:20240415162949j:image

f:id:mangokyoto:20240420125434j:image


f:id:mangokyoto:20240420125422j:image
f:id:mangokyoto:20240420125429j:image

ミネストローネ
f:id:mangokyoto:20240420125442j:image

楽しげな珈琲カップとソーサー。
f:id:mangokyoto:20240420125438j:image
f:id:mangokyoto:20240420125426j:image

夏はカキ氷が名物らしい。