3連休の作陶 虫鉢釉掛け

三連休最終日。

  • 友人のワイン屋に子供達とお邪魔。不特定多数との接触を避けるために開店前に入れてもらった。
  • 天気が良かったので子供達は庭でテント泊。外泊でも内泊でもない中泊。
  • 夕御飯、朝御飯を庭で食べる。
  • 子供達と窓を水洗い掃除。
  • 子供達に手伝ってもらって本棚作りの準備
  • 息子と作陶の作業の続き。コロナ休校中の臨時図工の授業みたいなもの。

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素焼き前と素焼き後にあまり見た目の違いがみられないけれども、無事800℃で焼けた虫鉢たち。 

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細くても素焼きまで耐えると、釉掛けして崩れる心配はない。あとはぶつけたりしないように釉掛けして本焼きするだけ。オオハナムグリのトゲトゲした力強い脚なんかは良さげ。 

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蚕蛾も右翅が落ちることもなく焼けた。案外、触覚の薄く細い作りもいけるな。釉薬が掛かって焼ければ補強材となって実用強度も増すはず。

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私が虫鉢に釉掛けをするその傍ら、息子殿は素焼きされたSWITCHリモコン立てに釉薬を筆塗り。ちみちみと最大3時間も集中して作業するから大したものだ。

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本人の好みで地をマグネシヤ、歯車などの部品を黄瀬戸釉に塗った。私は金ラスターや鉄赤を勧めたが、黄瀬戸が良いそうだ。これじゃない、と拒むことから本人の中に望むイメージがしっかりとあるようだ。

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時間が余ったのでもう一頭、山羊追加。目の位置よりも耳の位置が低いと間抜けな顔になることがわかった。頬の膨らみも重要。鼻は作りこまなくても印象にあまり影響しない。

 

今回の改善点および試行錯誤

-固めの粘土を使う方が成形しやすい。柔らかい粘土を使うと乾燥過程のひび割れが生じやすい。

-素焼き、本焼きともに支柱を添えて焼く

-体に白化粧を塗って白い山羊にしてみる

-黒土のカロリーの低さを考慮して金ラスターを薄く角に塗る

 

 

豆鹿頭骨鉢 X「唐印」

カランコエ属の「唐印」を豆鹿頭骨鉢に植え込んでみた。鉢内の土の量が植物の大きさに比べて少ないので根付かずに枯れてしまう可能性が高い。生き延びても一気に茎が細くなってしまうだろう。 

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漫画や映画でマッドサイエンティストが人間に遺伝子やら特殊能力やらを移植をし、多くが拒否反応を示して亡くなってしまう。主人公だったりメインキャラクターが数少ない適合した生存者だと後になって判明する。多くの作品で見られるモチーフだが、自分自身も多肉植物を無理のある陶器鉢に生体移植しているマッドサイエンティストであることに気づいた。

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 白信楽土で作りマグネシヤ釉薬をかけて酸化焼成した鉢。それをさらに黒土を刷り込んで磨いたら、実際の骨に近い質感を得られたように思う。どうだろうか。

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 長くはもたないかもしれないが、唐印の葉が紅く染まるその中心から長い花穂を伸ばす造形が素晴らしすぎて角に仕立て上げずにはいられなかった。全体が彩度が低く統一される中で、唐印の薄緑と紅が目を引く。

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 薄暗がりの中で部屋の一隅を濃密な「静謐」「死」の気配で満たしてくれる。

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 今を切り取らねばと思って何枚も写真を撮った。せめて、印刷して部屋に飾りたい。枯れゆく様も同様に写真に収めていきたい。

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やはり、発根して鉢に活着して欲しい。骨から生きた枝が伸びていてこそ意味が増す。もう切られて殺された枝ならばそこらで桜の枝を買ってきて挿すだけで済んでしまう。生き延びてくれ、唐印。

温室解体 3月の緑道

素晴らしく暖かく長閑な3月の休日。21日の最高気温は24℃に近い。夜間の最低気温は8℃とのこと。

 

少しばかり寒い日もまだ来るだろうが暖冬でもあるし、温室ビニールシートを取り払うことにした。なかなか面倒くさいが、年に二回の手間と思って頑張ろう。

 

床の落ち葉や土を掃除機で綺麗にし、土埃で汚れていた窓も水洗い掃除した。

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仙人掌や多肉植物全ての鉢に底穴から流れ出るほどたっぷりと目覚めの水遣り。

 

風が抜けるようになると気持ちが良い。この季節だと昼に水遣りをしても焼ける心配がない。

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森林サボテンのリプサリス三鉢も所定の位置へと吊り下げる。例年は冬の間もわずかに水遣りを続けていたが、今年は完全に切ってみた。かなりシワシワになっているが大丈夫だろうか。春の立ち上がりを比較したい。

 

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最上段にはオプンチアとマミラリア など白サボテン、花サボテンをまとめた。水遣り頻度が半分の株たち。

 

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上段には鸞鳳玉各種、福禄龍神アロエ、ユーフォルビアなどの中鉢。

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夏冬は断水気味に大事に育てている虫鉢のマミラリア とエスポストスは日照環境と風通しが最良の中段へ。

 

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 紅の濃い桜も満開。目白がつついて花びらを散らしている。

 

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 ムスカリの群生。昨年、ドライにしたら見る影もなくしぼんだ。花壇で、切り花で楽しむ花だな。

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 水仙。日本における食中毒で最も件数が多いのが韮と間違えて水仙を食べてしまう例だそうだ。そこらへんに咲いている普及種のようでいて危険な奴。彼岸花と同じヒガンバナ科だからか。

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 鈴蘭水仙。鈴蘭ではないし、水仙でもない。

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 花韮。綺麗だけれども韮臭い。カメムシソウのようにカメムシの匂いのする草という名付け方が一般的だが、韮のような匂いのする花=韮花ではなく花の綺麗な韮、つまりあくまで韮の一種という位置づけなのだな。

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 白い花韮が多いけれども、青の群生は目を見張る美しさ。花弁の黄色がさらに青を引き立たせている。

 

なんだか毒草が多いな、と思いながらマンゴー殿を散歩させている。食用花だと摘まれてしまうからかね。

ワイン屋に陶器を装飾什器として提供

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ワイン屋を営んでいる友人が折角だから私の作品を置いておくれと言うので、山羊、羊、鹿を取り揃えて持ち込んだ。

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春だし店頭に華やかさを出すためにも花を載せてみた。

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ちょうどよく山羊のエチケットのワインがあったのでそれを中心に山羊鉢と植物で囲む。錦晃星の花は1ヶ月は持つだろう。ハオルチアも2週間に1度の水やりで耐えてもらおう。

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マグナムボトルを賑わしてみたり。

 

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イートインスペースもあるワイン屋なのであまり土モノは置きたくない。何か彩りを添えられないものか。花屋のドライフラワーも物色したが鮮やかなものは染料で染めていて人工的すぎるし、天然のドライはどこか霞んでいた。庭で育てて自分で干したコロロの花が一番鮮やかだという結果に。

 

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左のマンクスロフタン山羊の足の開きがどこかイマイチだなあ。こうして人目に晒されることを考慮すると満足できる水準に満たない作品も多い。あれこれ作り直したい。半分は撤収したい。

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美味しいロゼのワインをご馳走になった。子供達は橙のジュース、さらにゴルゴンゾーラ・ドルチェを切ってもらったのだが子供達にあっという間に食べられてしまった。大人でも嬉しいほど美味しい食べ物というのを子供は不思議なほどに見分ける。

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虫鉢も置いてきた。カウンターに置かれている。うわ、気持ち悪いっと驚く客もいるかもしれない。

 

コロナウイルスのせいでお篭り生活だが飲みに行きたい。

三色円錐鉢 X「福禄龍神木」

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 青緑色の肌を持つミルチロカクタス「福禄竜神木」。福禄寿と竜神という神様二柱の合わさった縁起のよさそうなサボテン。柔らかい波のような曲線の反復が面白い。女性的な曲線と書こうと思ったらなんだかあれに見えてきた。

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 真上からみると幾何学的な六芒星。3稜が交互に出てくる。

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それにしても不思議な形。千波万波のように日光のあたる面積を最小化するための稜ではないはずなのでどのような目的の機能進化なのだろう。

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円錐の鉢に植え替えてみたら、とっても似合う。斜め直線の鉢のシルエットと福禄竜神の曲線凸凹。緑と赤茶。私の中では喝采の良組み合わせ。

 

植物と鉢をうまく合わせられると嬉しくなる。

象嵌達磨図鉢 X「青雲の舞」

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植え替えようとも思ったが、鉢は株に対して十分な大きさだし好調そうなので枯れた下葉を取り除くにとどめた。

鉢は京都で陶芸を趣味にし始めた初期に造ったもので、天龍寺の衝立に仕立てられた達磨画に感銘をうけて象嵌した。本物はもっと顎の部分が長い。最初に観た時にはゴリラっぽいな、ヘタウマか、などと思ったがずっと見ていると愛着の湧いてくる線。

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 軟葉ハオルチアの「青雲の舞」は逆光気味の窓辺に置くと明るい緑と透明な窓模様が清涼感があって美しい。

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脇芽も無数に出ていてカキコ生産所と化している。脇芽が本体を斜めに傾げてくれるのがまた鑑賞するのに都合が良い。

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達磨の鋭い眼光がキラリ。とぼけた顔のように見えて、厳しい表情に見えたり。私のはかなりの劣化模写だけれどもそれでも実物の素晴らしさが少しは残っていてくれているようで。

伊羅保流し鉢 X「瑠璃殿」 芸術的な螺旋根

春は植え替えの時期。外出型の娯楽がなくとも多肉植物愛好家は自宅で植え替えするだけで喜びを自給自足できるのはなんとも倹しいものだ。

拝見している他の多肉植物愛好家のブログをみても花が咲いたり植え替えの様子を報告していたり見ていて楽しい。

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私も通勤時間が無くなって浮いた時間で多肉植物株の植え替えに勤しんでいる。瑠璃殿がやたら株が鉢の上部にせりあがってきたので抜きあげてみたらこの有様。なかなかここまで綺麗に巻いて球体になることも稀。 

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 硬葉ハオルチアの「瑠璃殿」は特別に成長が早いわけでもないので、もっと控えめな根をしていると想像していた。これは地表の葉の質量と同じぐらいの量がある。

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しかも随分と綺麗に同方向に束ねられたものだ。

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 もう芸術。思わず机の上に置いて写真を撮ってしまった。

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 瑠璃殿の葉がそもそも螺旋状に回転している。葉は反時計回り。根を見てみると根も反時計回りに巻いている。こやつは地表でも地中でも反時計回りの回転体だったのか。

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 土を落としてみた。もともと入れていた土の量よりも少ない気がするのだが土が減ることはあるのだろうか。鉢穴から流れ出たとは思わない。土量が減るほどに根から吸収されるなんてことはあるのか。

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軽く引っ張るだけでとれる古い根を整理して判明したのが太く螺旋を描いていた精気みなぎる根はたった一本の根から分岐したものだということ。まるで電源ケーブルのように細い根が株につながっている。根が株元からたくさん分岐するのが必ずしも良いわけではないらしい。一本でも充実した根があれば株全体は健やからしい。

 

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瑠璃殿の枯れた下葉は抜かないようにしている。濃い緑から枯れるにしたがって赤銅色に変わっていくそのグラデーションも見ごたえがある。 

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根の勢いが強いので大きめの鉢に植え替えた。白土に伊羅保を流しかけた鉢。窯出し直後には、いまいちな出来だと落胆したが久しぶりに見たらムラと流れの濃淡が悪くないように見える。自分自身の好みも変わってきているのかもしれない。