団子虫陶蟲夏草鉢の注文制作5

無事に焼けていますようにと祈る気持ちで小窯の窯出し。普段は2人以上立ち会いの元で窯出しするのがルールだが、私の作品しか入っていないので許されている。慎重にブレーカー、主電源が切れていることを確認して窯の扉を開ける。感電すると即死だ。すぐに気づいてくれる人もいないので気をつけないといけない。


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どうだろう。上手く焼けたと思っている。白化した団子虫の死骸が黒い岩に載っている鉢。中は空洞になっている。

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脚などの繊細な部分は釉薬でしっかりと保護強化し、外殻部分は土肌とヒビを露出させて風化しつつある雰囲気を出している。裏には厚く釉薬を掛けているのでそんなに脆くはないはず。

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植込み開口部。植替えがしにくいだろうが、団子虫から冬虫夏草のように盆栽植物が生えてきている姿を優先した。

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釉薬を掛けて強度を出しながら外殻周囲の土肌で風化を表現するという合わせ技の試みは成功したと言っても良いのではないか。

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こちらは苔を張ってもらうことを想定した土台部分。シリコンカーバイドで発泡させることで苔の仮根が入り込んで活着しやすくすることを意図している。私としてはもっと発泡させるつもりだったのだが配合比率が少し低かったのかもしれない。配合比率2%前後が推奨らしいが混ざる対象の釉薬にも左右されるのだろう。

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団子虫の頭方向から。

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背中側から。右手崖下の出っ張りには穴が空いている。そこに枯れた根を差し込んで空中に露出させるとさらに崖崩れ跡のようなジオラマ的臨場感が出せるのではないか。左手側の緩やかな稜線には苔を張ってもらうことを想定。水が苔を伝って緩やかに落ちていくように。

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苔を張ってもらう尻側。


あくまでも植えてなんぼの植木鉢なので是非植え込んだ姿を見てみたい。本当の評価は植物と一体となってからだ。


信楽白土、マグネシヤマット釉薬

黒泥土、金ラスター釉筆塗り後剥離、シリコンカーバイド2%配合金ラスター釉を部分的に筆塗り。

電気窯1230℃酸化焼成

焼成後重量1200g。



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もう一つの注文制作品。こちらは団子虫を黒メタリックに仕上げた。より新鮮な死骸風。

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こちらの方が外殻も脚もシャープな輪郭に造られている。私が普段作らないぐらいに下の丸鉢の腰下に厚みを持たせて重心を下げ、鉢が転倒しづらく努めている。

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団子虫を少し無機質な風合いにしている分、丸鉢は一号透明釉をかなり厚めに掛けて鬼萩や梅花皮のような凹凸が出てアメーバ的になっている。汁っぽく滴る寸前。こちらの鉢には木より草モノが似合いそうだ。


黒泥土、マンガン窯変釉筆塗り。

赤土4号、1号透明釉ドブ漬け。

電気窯1230℃酸化焼成

焼成後重量750g。


テストピース無しのぶっつけ本番仕込みなので不安があったが自分の作品として人様に納める水準には達したと思う。手元に置いておきたいと思える作品にはなった。あとは植物が植え込まれて鉢と馴染んだ姿を見てみたい。


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ホヘンベルギア ステラタ

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行きつけの花屋で珍奇な花材を見つけた。ホヘンベルギア ステラタというらしい。パイナップル科ホヘンベルギア属ということでパイナップルの遠戚だ。

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赤いのは葉が変形した苞で紫の部分が花らしい。

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花言葉「力強い支え」

たぶんドライになると書かれていたので買ってみたが、ネットで探してもドライフラワーになったものは出てこない。本当か。苞はカサカサとしているので色は残るのかもしれない。


ホコリカビ鉢が花材立てに丁度良い。

スタペリアガチャ

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園芸品店で植物を買った際に細かい品種名が名札に書かれていないことは多い。例えば「エケベリア」や「コチレドン」などと属名しか書かれていないと数百のうちから品種特定するのはとても困難だったりする。

この迎え入れたスタペリアも正確な品種名は不明。

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サイズをわかりやすく500mlペットボトルを並べて撮影。なかなか立派なサイズの株だ。この元気なスタペリアが1280円。良いお買い物なのではないか。

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さて、このスタペリア。品種によって花の見た目がかなり違う。どんな花が咲くかはわからない。ある程度は葉茎の形状で類推できるのかもしれないが、花が咲いたときの楽しみにとっておくことにする。

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悪魔の花とも呼ばれるサイケデリックで毒々しくもある花。

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英語だとStarfish flower。ヒトデ花か。なるほど、わかりやすい。

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こんな蕊の形をした花もある。

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毛が生えているとますます異界の獣のよう。

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漫画に出てくる人を襲う魔界の花のようだね。

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冨樫先生がご存知だったならば蔵馬が操るのはオジギソウではなくこのスタペリアだったかもしれない。

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そんななかでこいつはやたら可憐に見えてしまう。


スタペリア花ガチャ。来年の夏が楽しみだ。


多肉とサボテンの聖地「オザキフラワーパーク」でスタペリアを迎え入れる

珍しく下道で青梅方面から帰ったので武蔵関まで来て思い出した。オザキフラワーパークに車で立ち寄れるではないか、と。

自宅から自転車だと9kmもあり40分近くかかる。万が一、大きなものを買う場合は車だと都合が良い。

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いつ来ても知らない植物に出会えるオザキフラワーパーク。葉の広がりは2m近いこの観葉植物は品種名が確認できなかった。

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良いな、この白さ。

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チランジアのトンネル。

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鬼面角祭り。我が家の鬼面角は迎え入れて半年以上経つのにまだ枝がひとつも分岐しない。速い速いと聞いていたほどには成長速度は速くない。

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2万8千円。良いお値段するな。しかし何十年と育成しないとこのような形にはならないことを思うと法外な値段などでは全くない。

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福禄龍神木だろうか。こんな巨樹、古木は初めて見た。こういう主役級の柱が林立するカフェを営みたい。購入費を什器、内装装飾費として計上すれば課税対象利益を出さずに趣味のものを蒐集できてしまうと思うのだが、なぜそういうカフェはないのだろう。

鹿頭蓋骨鉢 X カランコエ「唐印」

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徐々に紅葉し始めている豆鹿頭蓋骨鉢に植ったカランコエ「唐印」。


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土が少ない過酷な環境なので成長は遅めだけれども確実に成長している。

眼窩からも芽吹いているのが滑稽な感じ。


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まだまだこれから紅が濃くなっていくはず。たまにこうして室内に飾るのも良いね。


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多肉紅葉

なんだかんだ忙しくてあまり多肉棚を気にかけていなかったこの頃。八ヶ岳の素晴らしい紅葉を楽しんだ後、自宅の植物を見てみるとここにも素晴らしい紅葉があるではないか。f:id:mangokyoto:20211109084916j:plain

改めてみても謎な造形の風船山羊鉢。そこに植わるアロエ「クリスマスキャロル」の禾が真っ赤に色づいていた。

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今年の色づき方は見事。少し暗いところで撮ると赤い光を放つような発色。「鬼切丸」も欲しいのだよね。

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のこぎりのような禾。

 

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こちらの鹿頭蓋骨鉢に植わったエケベリア「錦晃星」も色づき始めた。

 

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まだ緑から黄色、橙色といったところで紅葉の度合いとしては六分ぐらいか。これがさらに紅が深くなっていく。

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紅い花が枝先に咲くようで面白い。

 

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塊根植物鉢に植わったエケベリア勢も徐々に色づき始め。

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桃色に色づき始めて良い塩梅のエケベリア「シルエット」

 

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毛むくじゃらのハムシーは葉に少し勢いがないが来春にはしっかり根付いてくれるのではないか。

 

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上から見ると、こちらも花が咲いているように見えなくもない。

 

季節は流れておりますな。

 

 

鬼面角の枝分岐の兆し


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咲く寸前まで蕾を膨らませたのに咲かなかった鬼面角。それがまた変化の兆しを見せつつある。


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この右の切断端がモリモリと盛り上がってきている。これはついに枝が分岐する兆候なのではないだろうか。そうなるとこの切断面からは枝が一本しか分岐してくれないということか。できれば二本分岐して欲しいのだがな。もっと根が張って株が充実しないと難しいのか。


期待しながら見守ろう。


冬でも雨の当たらない陽射しの当たる軒下に置くのが良いのか、明るい日陰の室内に取り込むのが良いのか。前者に賭ける。