阿佐ヶ谷駅前の釣堀「寿々木園」に幼児デビュー

雨が降る様子もなく、曇天で陽射しも強くない。これはかねてから検討していた釣堀に息子達を連れて行くにはうってつけ。

 

  • 阿佐ヶ谷駅前徒歩3分の好立地
  • すぐ脇にローソンがある
  • 金魚は食いつきが良く辛抱のない幼児でも楽しめる
  • 手ぶらで遊べる。竿、餌は用意される。
  • 竿、餌込みの1時間600円は都内最安料金
  • 病気持ちですぐ死んでしまう露天の金魚と違い、健康な金魚
  • 露天の春夏秋冬に適応した金魚
  • 釣れない場合に金魚をサービスしてくれるかは不明。そもそも釣れないことなどあるのか不明。

阿佐ヶ谷駅南口徒歩3分という好立地に「寿々木園」という露天の釣堀がある。大正13年創業の老舗だ。池は3面だが、かつてはこの2〜3倍の敷地を誇ったという。

手放した土地に建てたアパートの不動産賃貸収入で趣味の釣堀を経営しているに違いない、と夫婦で勝手な推測をしてみた。この釣堀も潰してマンションにして賃料を取った方が儲かるに違いない。そこを敢えての釣堀経営というのに矜持を感じる。あくまで推測だけれども。

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手前が金魚、奥が鯉やフナだそうだ。水深は1m程度だそうだ。水泳プールが冬に釣堀として活用しているような所と違い、通年で釣堀だ。

 

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釣堀自体は8:00〜18:00の営業。私達は10時に到着した。1時間600円で餌、釣竿は全て用意してもらえる。暇つぶしにぶらりと来られるその手軽さが良い。市ヶ谷の釣堀は大人780円、子供も3歳から450円かかる。竿も餌も用意してもらうと追加で100円づつかかる。比べると寿々木園は駅からのアクセスも最短でありながら都内最安料金。良心的な値段が際立つ。

 

煙草を吸いながらのんびり釣っている人もいるので、風下を避けながら陣取る。金魚池は席の半分程度が埋まっていた。1人客はご隠居と思しき男性が多いが、若い家族連れもちらほら。


のどかだ。小遣いをもらって、コンビニで買ったビール缶かカップ酒でも飲みながら、釣竿を水面に垂らす。是非、私の定年後にも月に2度ほど組み込みたいプランだ。

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浮きから釣針までは40cmほど。釣堀の水は緑色に濁っていて水面から15cm程度しか見えない。金魚にとっても遠くから餌を視認することはできないだろう。長いこと釣られずに育った大物がいてもおかしくない。そう、水が汚いわけではないのだ。金魚が健康に育つグリーンウォーターというやつで、かつ未知との遭遇という演出もしてくれる。池の底まで見渡せたら興ざめだ。

 

餌団子は水に入れると、途端に小魚につつかれる。反応がなくて暇ということはなく、「あー 餌取られちゃった」と嘆きながら餌を付け直して投入する繰り返しで案外、退屈はしない。

 

開始して30分ほどで、小赤などのフナ型の金魚だけでなく10cm以上のかなり大型で綺麗な四つ尾の金魚をありがたいことに兄弟ともそれぞれ釣り上げた。しかしそれ以降は釣果無し。昼前後は金魚の反応は鈍く、釣るならやはり朝か夕方17時以降だそうだ。

釣針には返しがないので、口から外すのも容易。しかしバラしやすいとも言える。釣果は各自1時間で2匹づつ。餌は半分以上余ってしまった。1時間はあっという間で、長男はまだ釣りたいとごねたが次男がもう1時間は持たなさそうなので潮時だろう。各自3匹まで持ち帰れるそうだが、1匹づつ持ち帰ることにした。追加50円で綺麗な水にエアを入れてくれ厚手のビニール袋に入れて持ち帰れる。

 

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一匹は出目金の白変個体。目玉も赤いとアルビノということになるが、目玉は黒いので白変だろう。釣堀の中は出目金は黒ばかりだったので白変は珍しい。しかもなかなかの大物。

 

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もう一匹は和金だろうか。赤と白混じりのものを更紗という。赤勝りの更紗和金の四つ尾だろうか。琉金というには胴が長い。鼻先から尾鰭の先までは13cmほどもある。それにしても優雅な形の良い尾鰭を持っていて元気に泳ぐ。これは補充し続けている金魚というよりも大当たりのご褒美金魚だと思われる。

 

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家に帰って金魚を置き、それからホームセンターでエアレーション付きの45cm水槽と10mの延長コード、それから大磯砂利を急遽購入した。

 

子供と一緒に大磯砂利を洗い、煮沸してカルキを飛ばした水とメダカの睡蓮鉢の緑色に馴染んだバクテリアが豊富な水を混ぜた。温度合わせをし、3時間後に放流。今のところ元気に泳いでいる。水が緑色で透明度が低いと鑑賞性が下がるので、エアレーションのフィルターにバクテリアが定着するのを見計らって潅水を繰り返して透明な水にしていきたい。

 

エアレーションの装置が貧相で見栄えが悪いので陶器のカバーを作ろうかと思う。白壁黒屋根の陶器の建物はどうだろうか。

 

子供達が予想外の大物を二匹も釣り上げたものだから1200円の遊興費で終わるはずが水槽代、延長コード、砂利や餌代を合わせて追加4000円もかかってしまった。金魚にもそれぞれ1500円以上の値はつくと思うのでよしとしよう。

 

子供達に名前をつけてはどうかと提案したところ、長男曰く、「あさがや」君ではどうかと。次男は明日決めるとのこと。

 

いつか廃墟水槽を造る為に デカン高原最強のタウラターバード要塞

気温は42度だそうだ。4から5月は全く雨が降らない。

 
馬鹿だ、自分は。こんな高温乾燥した強烈な日差しの下を歩いて回るには軽い綿でできたダボダボの長袖、長ズボンが正解に決まっている。サハラ砂漠ベドウィンスタイルであり、インドの長クトゥラだ。それをよりによって日焼け止めクリームはムンバイに忘れ、短パンTシャツという土地気候に慣れてない白人観光客丸出しな格好できてしまった。救いは昨日、アジャンタで麦藁帽子を買ったこと。

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アグラバード郊外にある12世紀に築かれ17世紀のスルターン朝とムガール帝国との4ヶ月にも渡る戦役の舞台になったという巨大要塞タウラターバードを訪ねた。地上部の広範囲が城壁で囲まれ、200mの高さの丘の頂上までを幾重にも石積みの壁や櫓門が張り巡らされている。

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要塞好き、廃墟好きは一見の価値のある大規模な要塞ではなかろうか。外観の崩れ朽ち具合に反して、一部、砦の中を廊下や階段を登り進めるのも変化があって楽しい。

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突き出た崖の縁に大きめな楼閣が建っており、ファサードにはまだイスラム文様のタイルが残っている。往時はさぞや荘厳だっただろう。少し高みから同じ建物を見下ろすと、かつては更に高かったであろう建物が崩れていることがわかる。元々は何階建てだったのだろう。

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廃墟の魅力は栄えた往時を自分の想像力で補う愉しみだと思っている。十分に朽ち果てていながら、想像を惹起する手掛かりが十分に残っている、そんな廃墟が素晴らしく、ここの要塞は素晴らしい。

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日本の城でいう三の丸あたりで深い堀がある。一度、橋を落とされれば攻め上がるのは相当困難と思われる。この乾季、暑季でも堀の中に水が溜まっているのは流石だが、昔もこの緑色の水は煮沸さえすれば飲むことは可能だったのだろうか。サイフォン原理で遠くの貯水池から水を引けるようになっていたとのこと。

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岩壁は登れないように削り取られたらしい。その他に頂上に向かう方向に偽の門を造り正しい門を反対方向に造るなど侵略者を混乱させる仕掛けがふんだんに有るとのこと。

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ところどころの突き出た地形に円柱状の砲台があり、その上には大砲が据えられている。

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ほぼ山頂には比較的広い平坦部があり、三方を見渡せる楼閣がある。どうやら当時はそれなりに装飾もされていた天守閣のような場所と思われる。ここよりさらに上がるとまた砲台がある。なんといっても規模が大きい。要所に十分な兵力を据えるならば相当な軍勢になりそうだ。デカン高原で最強の砦の一つとされていたという話も説得力がある。

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頂上で道中に一緒になった若者たちの昼飯のご相伴にあずかった。チャパティにカレーという王道。辛くもなく、安心して食べられる味。返礼に柿の種とパチパチキャンディーを差し上げた。

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彼らの腕と比べると私の腕はモヤシのように白い。食器を使わず、チャパティでカレーを掬うようにして食べるのだそうだ。

 

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それにしても、そこら中で写真を撮ってくれとせがまれる。それこそ、壮年の家父から家族と一緒に撮らせてくれだとか、青年達にセルフィー棒で一緒に撮ってくれだとか。四海波模様の青いシャツに麦藁帽子、青い短パンというインドでは見かけない風体で、比較的気の抜けた顔で歩き回っているので声もかけやすいのだろうか。
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42度の酷暑の中を駆けっこして負かされた女の子。

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日本ではこんな女の子がおっさんに写真を撮ろうと誘うことなど考えられない。

 

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安いスマートフォンの普及はインド人の写真好き、撮られ好きに火をつけ、そこら中で勇ましくポーズを撮って写真を撮る様を見かける。そんなセルフィブームは私のような観光客にも、こちらから声を掛けることなく写真を撮らせてくれる被写体があちらから寄ってくるという恩恵をもたらしてくれる。
 
こんな立体感にあふれた廃墟を陶器で造り、120cm水槽に沈めて緋泥鰌を何匹か飼うのが私の密かな夢でもある。水草に適度に覆われた廃墟のアーチや柱の間を潜るように緋色の泥鰌に竜のように長い体をくねらせながら泳いでもらったら幻想的ではなかろうか。
 
 

睡蓮鉢のメダカ

 

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数ヶ月前、メダカをホームセンターで10匹飼った。120円だった。

 

売値は1匹12円。そうなると原価はいくらなのだろう。生産元から販売店までの移動やプラ袋に小分けして酸素を入れる手間などを考えると儲からなさそうだ。何せ原価が仮に5円だとしても粗利が一袋70円。輸送中や店頭で死ぬ奴もいるだろうに。売れ残れば酸素を補充し直す必要もある。熱帯魚コーナーのないホームセンターなので、下手したらその手間を惜しんで酸素が欠乏して死んだら廃棄される恐れだってある。

 

最初は黒っぽい体色だったものも数ヶ月で大きくなり、緋色になってきた。

 

玄関外の睡蓮鉢で飼っている。モミジの木陰に置き、ホテイアオイを浮かべているだけの変哲もない鉢だ。直射日光は当たらないので水温も比較的安定しているかと思う。ちなみに睡蓮鉢はモミジへの湿度補給の目的もある。

 

猫多発地帯だが、メダカほどに小さいと狙われることもないらしい。野良猫が睡蓮鉢の水を飲みにくるらしいので、それでも喰われずにいることを思うと猫の捕食対象外らしい。金魚はやはり猫に喰われてしまうだろうか。

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メダカを飼ったホームセンターでメダカのエサを買い、それを2日おきぐらいにげている。エサ代のほうが高かった。

 

おまえさんたちはたったの12円で売られてしまったのか。道に落ちていても拾わないような金額ではないか。そう考えると不憫で慈しみたい気持ちになってくる。


なにぶん狭い睡蓮鉢ではありますが、のんびり余生を過ごしてくださいな。

 

R座読書館 水槽の席

R座読書館の最前列左手にある水槽席。そこには幅60cmほどの水槽の前に奥行き25cmほどの板が渡してある、小さな空間。



ブラウニー、珈琲碗、急須を並べる。



黒茶の珈琲の水面に明るく照らされた水草の眩しいほどの若草色が映り込む。絶景かな。



ネオンテトラが左右を何もすることがなさそうなのに忙しなく左右を行き来する。それにもまして、神経質なほどの速さでヌマエビが前脚で何かを掻き込んでいる。時折、ベタが水槽の主のように優雅に横切る。それら動きも一切の音がなく異世界を眺めているようだ。日常や街の喧騒から遮断する仕掛けか。


ぼんやりと動きのあるモノを眺め続ける。これを我が家に取り込みたい。

金魚掬い


綺麗なお姉さんと好奇心を目に湛えた少年と店の主人。お祭りに定番のほのぼのとした光景。そのように撮れないのは単に撮影者の技術不足でしかないのだが。



屋台の金魚掬いは金魚救いではないのだよ。過密状態で追い回された金魚は弱っていて持ち帰っても死ぬ確率が高い。しかしそんな状況を生き残った金魚は何年も長生きするものもいる。過酷。


そんなわけでヘタレは屋台の金魚になかなか手が出せない。京都は金魚を買える店が思いのほか少ないのが悩み。

荒廃

炎暑の中、1週間近くも家を空けたのは長すぎたようだ。椛の「鴫立澤」の葉が茶色く枯れて丸まり、京都の寺社から収集した種から育てていた苗が14本枯れて倒れた。幹の太い「鴫立澤」はまた葉が出てくれると信じているが、苗はどうにも回復が見込めない。南無。


それよりもショックだったのが、帰国翌日には元気にしていた金魚がその翌朝には全て姿を消していたことだ。庭に犬とは思えない見慣れぬ糞が落ちていたので、どうやら猫に喰われたらしい。何も帰国直後に襲わんでも。。。


他の生き物の腹に収まったのならせめてもの慰め。懲りずに再度金魚を入手すべく出町柳の木村養鯉場を訪ねた。ここは主力商品が錦鯉なのだが、土佐金や黒琉金など一匹4000円もするような金魚も売っている。小生の予算は一匹300円程度で、巷にありふれた頑健な琉金、丹頂、黒蝶尾が欲しいだけなのでここの金魚は上等すぎる。去り際に水槽が目にとまった。緋泥鰌。薄く紅いドジョウなのだが、龍のように体をくねらせて泳ぐ様が素晴らしい。しかも底に大抵いるので猫の強襲にはやられにくいはずだ。6,7cmの緋泥鰌が750円。ううむ、高いが欲しい。


自動水遣り器と猫避けの防護ネットも設置せねばなあ。出張や旅行をする身には何かを育てるのは難しい。