新たに金魚を釣って迎え入れた。青文魚か。

無職の自由を発揮して平日昼間から阿佐ヶ谷の寿々木園で金魚釣りに興じた。常連と思しき年輩が定位置を陣取っており、少なくとも3時間以上は釣っている様子。

 

「昨日入れてた紅白のやつはもう誰か釣ったか?」

「いやまだ釣れてない」

そんな会話がなされていたので、もしかしたら昨日もほぼ終日この釣堀に居たのかもしれない。でなければ知らない間に釣られてるかどうかわからないはずだ。

 

バケツに和金をひしめくように釣り上げ、バケツが一杯になったらドバドバと放流する。年輩たちの狙いは和金以外の大物。オランダ獅子頭だったり、琉金だったり、東錦だったり。この日の1番の大物は巨大な丹頂だという。和金には目もくれずに放流する。常連さんに釣るコツを聞いたが、「兄ちゃんのレンタル竿じゃ難しいね」という身も蓋もない答えが来た。

 

私は開始2分やそこらで12cmはあろうかという青黒い金魚を釣り上げた。アタリの奴だが尾が蝶尾ではないので値は落ちる。それでも「青らんちゅう」という高価な金魚らしい。他には和金が8匹釣れた。まずまずの釣果だろう。

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お隣の常連さんの釣果はバケツ二杯の和金とこの蝶尾の見事な個体。私のものとは大きさは変わらないが尾の形が明らかに良い。

 

 

どうやら私は金魚を飼うのが苦手なようで今までに迎え入れた金魚はみな死んでしまっている。寿命ではない。

 

店員さんによると、長生きさせるには高頻度の水換えに尽きるという。最近の水道水はカルキの量も多くないのでカルキ抜きした水を用意する手間から水換え頻度が落ちるよりも数時間ほど汲み置いて温度を合わせた水道水を入れてあげるほうが長生きする可能性は高まるという。

 

また、釣堀の金魚の中には皮膚病や寄生虫を持ってしまっているものもいるという。塩水浴させてあげると良いというので0.4%程度の塩を入れてみた。少しづつ塩分濃度を上げていくべきなのだが、知らずに一気に入れてしまった。申し訳ないことをしたが取り敢えず順応してくれたようだ。

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猫に食べられないように金網も被せた。

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水作のフィルターポンプのようなものも入れて常に水面を動かして空気が溶ける工夫もした。

今度こそ金魚が定着して欲しい。

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我が家の主はこの青灰色の大きくてぼってりとしたやつ。「青らん」と言っていたので青らんちゅうの型が悪いやつだと思ったが背鰭があるのでこれは青文魚ではないのか。よくわからん。

起床してまどろみながら眺められる水槽作り

朝、頭が回るまでぼうっと眺める癒しの水槽作り

- 寸法をしっかりと計測し、12%の伸縮率を見込んで陶製遺跡水槽蓋を作る。

- モスクに加えて橋、神社の鳥居、見晴台などを作る

- 角に設置する取水口カバーも陶遺跡で作る

- 少しお高くても綺麗なメダカを導入する。幹之か。交配させることを考えると一種類に統一すべきか。

- 緋泥鰌が売られている店が少ない。価格も高い。オザキフラワーパークで小さな稚魚が1480円。安く緋泥鰌を買える場所を開拓したい。

 

新たに水槽を買ってしまった。60cm幅ながらも高さ28cm、奥行き21cmとコンパクトなもの。

 

これをバルコニーの横、ベッドサイドから眺められる場所に設置した。都合の良い水槽台が見つからないので作ることにした。ホームセンター島忠で38mm厚のSPF材を600、450、350、350mmに1820mmの長材から円盤でカットしてもらった。これを青色水性塗料で塗って化粧した後に、シンプルな構造に組み合わせて鉄金具を使って釘留め接合。製作費は3000円弱で済んだ。

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飲物を置いて、窓を開けて新鮮な空気を取り入れて、水槽を眺められるようになった。

 

泥鰌ヤマトヌマエビ、メダカ限定水槽にしようかと思う。なぜかヒーターを入れたく無い。日本の春夏秋冬の移ろいの中で一緒に暮らせる魚に限定したいと思っている。少しばかり欲を出して高級メダカを飼ってみようか。しかし繁殖させるならば直射日光にあたる環境にするべきだそうなので苔が生えそうで困る。悩ましい。

 

上部には蝦の飛び出し防止も兼ねたハオルチアを水耕栽培できる蓋を陶器で作り、水上遺跡のようにしたい。

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サイズが合わないがありものの蓋を載せてみた。また寸法を合わせて作り直さないといけない。縁に引っかかるようにして水面に浸るような蓋にしたい。

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モスクの横に立つオブトゥーサの巨木のようになった。日陰で水耕栽培すると徒長気味になるのは仕方がないが2年間ほど維持してこの程度なので悪くない。これをプロトタイプとしてもっと精度を上げたやつを作ろう。

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丁度ベッドに寝転がると下から見上げるような角度になるので水面が鏡のように反射して見える。この水鏡が私は好きで、これが朝目覚めるとベッド脇の窓の外に常に眺められるようにしたかった。

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実利的な点として飼育数が少なくても反射によって多く飼っているかのような錯視も得られる。飼育数が少なければ水質悪化も低減される。

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室内にはどうしても水槽から臭いが出るので置きたくない。

 

朝起きたらベッドの上にいるまま窓を開けてぼんやり水槽の中の緋泥鰌やメダカを眺めて微睡む理想の環境作りができたと思う。

 

取り敢えず狙い通り。あとは気長に作り込んでいこう。

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相変わらず、緋泥鰌は愛嬌がある。増やしたいのだが売っている店は案外少なく、オザキフラワーパークではこの1/3ぐらいの個体が1480円もした。私がこの緋泥鰌を購入した際に780円でも高いと思ったのだが。

モーターも静かで睡眠の妨げにならないのも気に入った。

 

フェイクグリーンブームは来るか。オザキフラワーパーク

ワクワクしている。

- ベッドサイドの新しいハオルチア水耕栽培&水中遺跡水槽作り

- 流泉紅葉玉作り

- 本格モヒート作り

- 居間の窓の鉄仙グリーンガーデン作り

 

やりたいと心の中で温めていたことを実現する材料に溢れた夢の店「オザキフラワーパーク」。日本の園芸を支えてきたとの評をどこかで読んだが誇張ではないと思う。私が初めて訪ねた5年前に比べて店内のディスプレイはオシャレに進化し続けているし、チランジア、塊根植物、サボテン、ビカクシダなどブームを先駆けている印象は強い。

 

今後、来そうな潮流として注目しているのがこちら。

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フェイクグリーンが進化し続けている。住居の中の限られた陽があたる空間を植物が取り合うことになりがちだ。陽があたらない部屋の奥側の壁などは植物で飾りにくい。耐陰性のある植物を置くにしろ定期的に日に当たる場所にも置いてあげないと元気に育たない。そんな緑化の難しい場所をフェイクグリーンは手間を必要とせずに彩ってくれる。
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手の届かない高さに緑を飾りたい時などフェイクグリーンは最適だ。手の届かない、つまり近距離で見ることができないので偽物か本物か判断し難い閾値まで精度は増したように思う。
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特に飼育難物種のビカクシダの品種なんかはフェイクグリーンの方が良いかもしれない。
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リプサリスも遠目からは真贋がわからないほど。
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この黒法師もフェイクなのだがなかなかのクオリティー。リアルの植物を置きつつ、手の届きにくい場所にフェイクグリーンで嵩増しするのが良いように思う。遠目で満足いく品質のものが随分手頃な値段になってきた。
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生のビカクシダ類も豊富にある。
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あの品種が欲しい、という品種単位で蒐集している人を満足させられる店。似たような株が品種が異なると数倍も値段が違う。
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観葉植物コーナーはもはやジャングル。
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形の良い大きな鉢を探し求めるならばこの店が良い。全面ガラス天窓のお店できちんと生育しながら在庫が置かれている。
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クリシュナボダイジュが実をつけていた。
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部屋に大きな観葉植物を置き、それをちょっとしたテーブルに変えられてしまう一品。こんなテーブルと植物が林立するカフェなんてのも素敵ではなかろうか。
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プロダクトとしての鉢の種類と品質も素晴らしいのがオザキフラワーパーク。どのコーナーもレベルが高い。
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溶岩釉で発砲させた陶肌の鉢。値段もそれなりだが雰囲気の引き締まる鉢が多い。
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独自ブレンドの土も豊富。サボテン、多肉植物、酸性度や成分が異なる植物群別の土が何種類も並ぶ。

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カブトムシやクワガタムシの菌糸ビンや産卵マット、朽木、ゼリーなども専門性の高い品が豊富に売られていた。ただしこの分野に関しては高円寺の「むし社」が圧倒的なので私には不要。

 

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熱帯魚、淡水魚コーナーも熱い。
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巨大な丹頂や
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小さな丹頂
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私の好きな琉金
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更紗琉金
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青らんは3200円だそうだ。私が阿佐ヶ谷の釣堀で釣った個体はこの1.5倍ほどある。尾が蝶尾でないのが残念だが大きさを考えると3000円以上する高級金魚なのではなかろうか。

 

流木コーナーなどあれこれあり、水槽もかなり沢山の現物が置かれていた。やはりサイズ感を目で確認できると有り難い。

 

戦利品

60cmスリム水槽

菊藻 水草4株

フェイクビカクシダ

流泉紅葉

モヒート自作用のミント

多肉植物の土、ケト土

木の杭

 

ネイチャーアクアリウム

東京ドームで催されているADAのネイチャーアクアリウム展へ。

独自の様式や世界観を確立して世界水槽レイアウト大会を催し、日本から世界標準を確立した天野尚氏は本当に日本の宝だと思う。

https://www.adana.co.jp/jp/contents/iaplc/2017/index.html

 

話は飛ぶが右肩下がりで衰退傾向の日本酒業界がよろしくないのはフランスが作って審査するナントカ日本酒賞に競って応募して受賞を喜んでいることだと思う。根本的に食生活が違うし、なぜフランスに日本酒を評価してもらって喜んでいるのか。日本でももっと青魚の寿司に合う日本酒、マグロに合う日本酒、蕎麦に合う日本酒、ラーメン餃子に合う日本酒、焼肉に合う日本酒などと細分化して評価軸を打ち立てて賞を設立することでより多くの人に「好きな〇〇を食べるときにこのジャンルで日本一の日本酒を飲んでみたい」と思わせることではないのか。そしてそれを他言語で発信すべきだ。

「フランスで評価されている日本酒」なんだとアピールすることがずれているように感じる。むしろ日本としては日本食を常食する味覚で日本食に合うフランスや各国のワインを品評する賞を作り出すべき話だ。

評価する側に回るか、評価される側に回るかにその文化領域の価値創造の主導権を握るか否かの重要な問題が潜んでいると思っている。

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話を戻すと、水景水槽の美意識、価値観と評価軸を打ち立てたADAの天野氏はそういう意味ですごい。

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富士フイルムに天野氏特注のフイルムを作らせてしまうほど、自然景観写真のカメラマンでもある。

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水景の最高峰、天野氏の理念を引き継ぐクリエイター達の手掛けた水槽が並ぶ。私も水景主体の水槽を我が家にも欲しいけれども、二酸化炭素添加、ヒーターでの温度管理、そして照明と揃えていくと設備費がお高くて始められずにいる。

こういう草原のような水景の上部に多肉植物をどかどかと水耕栽培するのが私の理想。

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ガラスも藻が一切生えておらず真横から見ると鏡面となる。

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斜め上から見下ろすと上からと側面からが同時に眺められてこれまた美しい。

 

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お気に入りはこちらの水槽。

 

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ウォーターマッシュルームのような水草が壁面を覆い尽くした水槽。黒い背景と鮮やかな緑の強コントラストが素晴らしい。

 

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ここまで来ると苔の原因となる排泄物をする魚はあまり入れたくなるのかもしれない。

 

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緑の絨毯にするには管理の楽な砂利ではなく土が欠かせないのだろう。私にはハードルが高い。

 

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魚がカラフル過ぎて水面がサイケデリックになっている。

 

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等間隔に気泡を纏う不思議な水面葉。

 

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この水草の新芽の質感も異様だった。一眼レフで存分に撮りたかった。iPhoneではやはり限度がある。

 

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梅花藻のような水中花をつつく魚。

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それにしてもiPhoneの撮影時の歪みは酷い。水槽の直線が左右非対称の凹曲線になってしまっている。こんなだから轆轤で挽いた器を撮影しても歪んでヘタクソに見えてしまう。

 

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白眉は六角の巨大テラリウム柱。

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美麗。


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上部はシダやらの熱帯植物が覆い、霧や雨が下部の水槽に注がれる。そして6面がそれぞれ異なる表情の水景となっている。


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1時間に10分間霧が発生するシステム。潤う。


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やがては撤去されてしまうのがなんとも勿体ない。こんなテラリウム柱のあるカフェがあったら通うのに。6面がカウンター席で目の前の水槽を眺めながら美味しい珈琲を飲めたら癒されること間違いなし。そんなカフェをどこかに作って欲しい。

 

写真撮影好き、植物好き、水槽好きにはオススメの展示会だった。展示期間は11月14日まで。

秋の金魚釣堀「寿々木園」 金魚の肥育

かなり私にも慣れてきて近づけば餌をねだるようになって可愛かった紅白のコメット。白い尾鰭が綺麗なヤツだった。それが野良猫に食べられてしまった。金網をしっかりと被せていたので安心していたが突破されてしまった。半年かけて毎日餌をあげて肥育した挙句に猫に捧げたようなものだ。猫にとって金魚は美味いのだろうか。食べた以上は楽しんでくれたことを願う。


睡蓮鉢に魚を何も入れていないと蚊や虫が湧くので何かは飼っておきたい。メダカでも良いかとも思ったが、子供の遊びがてら阿佐ヶ谷の寿々木園へ。

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台風一過の翌日は避け、翌々日に来てみたがよく晴れていて気持ちが良かった。そして秋にもなると駅前一等地にあるので適度に周囲の中層マンションの陰になる。


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向かいの常連の親父が遠目にも大きな金魚を釣り上げて周囲がどよめいていた。毎日来ているような親父たちをどよめかせるのも納得のなんとも巨大な紅白の琉金だった。3歳ぐらいではないかというが、3年でこんなに大きくなるのだろうか。


ここの釣堀はこうして目の前で大物が釣れるので、自分が釣れなくとも大物は確実に中を泳いでいる安心感がある。腕と運が味方すれば自分にも釣れるのではないかと思わされる。

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我が家は大型観賞魚の餌にされるいわゆる「小赤」のようなやつが4匹釣れた。模様が入っているわけでもない至って平凡な金魚だが子供達が嬉しそうにしてるので良しとする。昔は巨大な黄色や紅白の琉金を何匹も釣れていたのに回数を重ねて釣果は減る一方。あれぞビギナーズラックというやつか。


釣堀の店員さんに「あ、これ持って帰ります?」と驚いたように聞かれた。常連ならば釣っても逃して返すような子赤だから。「いや、猫に食べられちゃってね」と言い訳をすると「猫は食べますよね。ご馳走なんですかね」と笑いながら袋に入れてくれた。


緋泥鰌水槽のアナカリス開花

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アナカリスに花が咲くのを初めて見た。アナカリスオオカナダモという和名を持つので、梅花藻のような花なのも納得できる。なかなか透明感のある可憐な花。

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時折り、メダカにつつかれている。

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外は雷雨。今日は緋泥鰌が猛っている。

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左右に身を拗らせながら上に下にと泳ぎ回る。

この龍魚のような振る舞いとヒーター不要で屋外で飼える頑健さが緋泥鰌の好きな理由だ。

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時にはメダカを追い回してみたり。しかしメダカも逃げるような反応は見せないのでやはりメダカの緋泥鰌に対する警戒心は無いに等しい。

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泥鰌も相変わらず元気で何より。


日の本一の秘宝館「荒俣ワンダー秘宝館」

角川ミュージアムの中にある荒俣宏ワールド全開の「荒俣ワンダー秘宝館」。私がこれまで訪れたことのある秘宝館の中で群を抜いて満足度が高かった。お金を払う価値があると感じた初めての秘宝館と言っても良い。

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バビルーサ!上顎の牙が鼻上を突き破り、伸び続けた牙はやがて脳天に突き刺さってそれが原因で死ぬ個体もいるという謎猪。

 

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オオセンチコガネ120個体をグラデーションに並べた標本は圧巻だった。とりわけ瑠璃色の個体はルリコガネとも呼ばれ、奈良県春日大社の神鹿の糞に集まるという。採集日時や地名も明記された資料価値のある標本だ。そういえば鳩の巣渓谷でもかなり瑠璃色の個体を見た。

 

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タブレット端末が置かれており、6種類のモードから他の生物にはどう視覚情報が認識されているのか疑似体験できるようになっていた。こちらは鳥類。

 

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こちらは一般的な魚類。

 

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そしてこちらが犬だという。確かに犬は色盲だと聞く。視野中央しかあまりピントも合っていない。他に馬なんかも面白かった。

モンハナシャコなんかの円偏光が見える視覚疑似体験装置なんかもあったらワクワクするな。

 

そして私が打ちのめされるほど感激したのがこちら。透明標本の大規模ディスプレイ。スマホではなくデジカメをもっていけばよかった。理想は一眼レフとマクロレンズを持参して嘗め尽くすように撮りたかった。

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 透明標本は小さなガラス容器に売られているのを目にするのが殆どだが、ここだとたくさんの標本が並べられている。 

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個体ごとの染まり具合の差も面白い。表皮の硬さやたんぱく質の量などで変わってくるらしい。

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 マトウダイのようなやつだろうか。

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グソクムシ。光り輝いていた。

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イイダコの一種か。

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蛙。体長に比べて不自然なぐらいに背骨が太い。跳躍と着地の衝撃に耐える為だろうか。鼠や兎のように脚で飛んでクッションのように脚から着地したら不要だろうに。

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亀も甲羅の縁模様が甘い。

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ツノカメレオンも迫力ある。肋骨の腹部側だけが染まり方が異なる不思議。

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鳥類など硬骨と軟骨が組み合わされると色が豊かになってさらに魅力的になる。食道が伸び縮みする蛇腹ゴムホースのようだ。 

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その一方で対極にあるようなウミグモ。生物の機能としてスカスカで淡く儚く見える。

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そして再び対極のようなエイ。拡大するとクラクラする。いくら工芸作家が超絶技能を謳っても自然の造形美には永遠に叶わないと思わされる。

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上から眺めて通り過ぎてしまう人が多いのだが、このディスプレイの面白味は横からの眺め。真上から標本的に平面的に眺めるのも美しいのだが横から見ると鏡面世界に閉じ込められた立体として眺めることができる。

 

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シャコと言えばシャコパンチ。その超高速強打から水中真空波「キャビテーション」を起こし、強力な衝撃波が「ソノルミネッセンス」という発光現象まで起こして貝をも砕く。さらに全生物の中で唯一、円偏光を知覚するという謎の視力。もう、規格外生物すぎてワンダーすぎる。

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超深海の団子虫、グソクムシ。ちなみに海洋大学の学園祭では素揚げを食べられる。染めるとこんなに宝石のような青一色になるとは知らなかった。欲しい。

 

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蛙の関節も美しいことこの上なし。

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ハコガメは全身が同じ色で染まっている。しかもピンク。

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 プレコか。宇宙

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チョウザメ古代魚は色に強弱が強く出てカッコいい。

 

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蛇。そろそろ関西だとハモの湯引き梅肉和えが美味しい季節。この骨を見ているとハモも丁寧に骨切りすることが如何に重要かがわかる。

 

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シャコの前脚はえげつない。さらに尾ビレも凶器だというのだから。

 

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こうして見渡すと鏡面に閉じ込められた異世界

 

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素晴らしい展示の工夫。

 

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なんだかカッコよく飾られている三尾。右からマツカサウオ、ハリセンボン、左はなんだろう。

 

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マッドサイエンティストな眺め。誰か、リュウグウノツカイを水揚げしたら是非透明標本の素材として寄付して欲しい。鹿の全身透明標本なんて夢だな。

 

グソクムシやシャコの透明標本などは販売されるとしても10万円以上はするのだろうな。それを家族に咎められずに自分の小遣いで買えるようになるにはもっと仕事を頑張らないといけないのだろう。さらに大金持ちになったら100万円で鹿の全身透明標本作りを注文したい。

 

 

このワンダー秘宝館をプロデュースした荒俣宏さんは著した「帝都物語」の印税1億5千万円を全て古書の蒐集に費やしたというのは有名な話。その帝都物語は角川文庫から発刊されているので角川書店にとっても荒俣さんはお抱え人気作家という縁か。荒俣さんはファンタジー小説の草分けで魔道、魔道士、召喚などいまや当たり前の言葉を造った人でもある。そして博物学の権威でもある。そんな人のおもちゃ箱のような自然史秘宝館。

 

もともと熱海の秘宝館、珍宝館のようなものを作ろうとして止められたそうだ。止めた人も偉い。