しのぶ

京都の新居に植えたい観葉植物のひとつに「しのぶ」がある。


これは日本に自生する羊歯類なのだが、特に常磐忍は雪降る寒冷地ですら緑を保つ常緑草なのである。坪庭なんかにちょぼちょぼと生えているあれだ。常に瑞々しく、かつ半陰性でもある為、建物の陰などにうってつけの植物である。


地味な存在にしか映らなかったが、最近妙に惹かれる。関東なんかでは軒下に玉状にしつらえた「釣り忍」というものを吊り下げた光景が江戸時代では一般的だったらしい。羊歯の葉が青々として狭い路地裏でも涼を取れる。


その下に風鈴をつけ、目と耳で涼をとるものもある。苔玉というのも、要は忍玉を現代風にアレンジしたということらしい。


さらには最近には釣り金魚鉢を覆うように仕立てた「釣り忍」もあるらしい。江戸時代からの歴史あるものかと思いきや、金魚鉢仕立ては東京最後の忍屋、「萬園」の深野晃正氏が多摩美術大学東京造形大学と連携して生み出した新しい様式らしい。古いようで新しい。


そこらのサイトから画像を拝借。。。

ううむ。この金魚鉢仕立て釣り忍が欲しい。京都で手に入らぬものか。忍は一年でも数センチしか成長せず、生業として成立させるのは難しいらしい。とは言うものの鉢物は数百円で手に入るので、自分で仕立てれば安く上がるかも知れぬ。


これはバリ島の道端でみかけた。日当たりの悪い壁があったら、このようにしのぶを植え込んでみても面白いのではないか。苔としのぶはどうやら相性が良い。