牡蠣の卵とじ

ここ一週間ほど、バンコクに来ている。


先日、タイで日本語教師をしていた幼馴染に連絡して、前回食べさせてもらった牡蠣の卵とじを食べに行った。これが食べたくて仕方が無かった。


入社一年目の後輩の女性を誘ったところ、入社4,5年目の後輩二人も行きたいとのことで総勢四人で繰り出すことになっていた。しかし現地の人向けの大衆食堂である旨を説明したところ、牡蠣で食中毒を起こすと仕事に障るからと入社4,5年目の二人は辞退した。その流れを見て、仕事に責任を持つ身は出張中であれどこうあるべきだと思った次第。


しかしそれで考えを改めるわけも無く、新入社員の女性と二人と強行する。現地の人が毎日食べているもので中るわけも無かろうと。


2年ぶりの再会だったが、牡蠣の卵とじは相変わらず美味かった。油が飛び散って迂闊に手を近づけられないような熱さで鉄板ごと出される。チリソースを加えると味が引き締まってよい。とろとろとした食感の中に、ぷりぷりと弾けんばかりの張りのある牡蠣が混じっている。


舌鼓を打つ間にも、視線の脇を大中小異なるゴキブリがうろうろとしていたが、寛容な対応で見てみぬ不利をした。

トンロー駅を左手に降りてソイ55を渡ってすぐ、店名に55と付く大衆食堂である。店を出る頃には行列ができていた。