バンコクも五度目ともなると、ワットプラケオやらワットポーやら定番の観光地を見に行く気も湧かなかったので、適当に電車を降りて、只管街を歩いた。
街角を曲がると突如ヒンズー寺院に出くわしたりする。どうやらインド人だけに限らずタイの仏教徒もお参りに来るらしい。
日本で神仏混合しているように、タイではヒンズー教と仏教が相当融合している。タイ王室の紋章のガルーダはヒンズーの神鳥であるし、そういえば8年ほど前に、タイの仏像市場で真鍮のガネーシャを購入したこともあった。観光地で鑑賞できるタイダンスも元はヒンズー教に由来し、バリダンスと似ていることも納得がいく。このヒンズー寺院の梁を支えるような彫刻もタイ寺院の仏塔の彫刻と通じるものがある。
それにしても現実的に考えたら随分と官能的な衣装ですな。しかし手には短剣、口元には牙が覗く。女性怖し。
タイは95%が小乗仏教だと一般的には言われている。日本でも金剛夜叉明王や愛染明王などが三面六臂で表されるが、タイの仏像は随分とすっきりほっそりとした面立ち。と、思いきや、街中で見かけるこれらの像はヒンズーの神様なんだそうだ。家屋内や寺院内に置かれているのが仏像らしい。
そこから5分もしない市場の軒下には儒教の護符か魔除のようなものが貼られていた。