ニュートロン


まだまだ魅力的なカフェが尽きない京都。ニュートロンは新進の作家、アーティストや美術大学の学生が多く集まる京都という街ならではのカフェ。美術館やギャラリーでオブジェやら絵画やらイラストやらを眺めるのが好きな人には必見のカフェだと思う。


まだ名も売れていない作家の卵たちの作品がひとつひとつフォルダに整理されていて自由に閲覧できる。商業的に成功した人の作品は書籍やインターネットで検索することができるが、そうでない駆け出しの卵たちを知ることは今まで自分のような一般人には困難だった。




まだ誰もやっていないスタイルや表現方法を追い求めて大勢が試行錯誤。奇をてらっていても良いではないか。唖然とする技術で生み出された作品や、呆れてしまう作品。芸術ってこんなにも自由なものなのかと楽しくなる。当事者は独創性と芸術表現と稼ぐことの狭間で苦悩しているに違いないが。



必ずしも絵が上手なほうが芸術性が高いわけではないなどという言葉を聞いたりする。しかし、日本では技術の高さが低く見られがちだと異を唱える作家もいたりする。目にする誰もが言葉を失うような超絶技巧の作品を作ってみせると。そんな彼の作品は楡の木で錆びた空き缶を彫り出した木彫だったのだが、確かに言葉を失った。いや、かっこいいよ。全く。反権威のロックンローラーみたいな作家。


作家プロフィールフォルダ、美術手帖、各種作品集などなかなかお目にかかれない書籍や資料がわんさかで素晴らしい。小さなギャラリー、作家作品の展示販売に加え京都の個展情報もふんだんにある。刺激に飢えたときに訪れたい。





今まで廻ったカフェの中で食事が一番美味しかったことも付け加えておく。鱈の白身にタルタルソースなのだから、洋食といえど皿は白ではなく暗い色のほうが映えるのでは。素人意見だが。



京都府京都市中京区三条通烏丸西入ル御倉町79 文椿ビルヂング 2F
[火〜金]11:00〜17:00 23:00
[土・日・祝]11:00〜15:00 23:00
ランチ営業、日曜営業
http://www.neutron-kyoto.com/