花灯路

春に行われる東山の花灯路は秋に行われる嵐山の花灯路と同じ灯籠を使いまわしているようだがどうなんだろう。いや、そうすべきだと思うし文句ではないのだが。


京都を訪れたら「今だけのイベント」を体験できたと思えることが観光客を満足させる上で重要なのかもしれない。客寄せ以上の何かを感じないけれども、それに合わせて色々な付随イベントが催されるのは参加する側としては楽しい。そもそも京都は、毎週末どこかしらで祭事のある街ではあるのだが。


円山公園の脇の日本の煙草王が建てた長楽館という洋館で假屋崎省吾の活花展が催されていた。長楽館の最上階は普段公開されていないのだが、そこだけ和式になっており、最も格式の高い折上格天井に金屏風の豪勢な御所のようなつくりになっている。その大広間に巨大な桜を活けており、その迫力と美しさ、部屋との調和に感嘆した。その風貌から假屋崎省吾はイロモノだと思っていたが、創造力と技術をもった大家なのだと初めて知った。



円山公園の中央に行くと懐かしい枝垂桜があるのだが、異変に気づいた。向かって右側の大枝が切り落とされてしまって昔の山笠型の均整の取れた姿が失われている。仕方が無いとはいえ寂しくなった。