飛騨へ電車旅


電車は渓谷沿いを、左、右と少しでも線路を据える隙間を探すように岸を切り替えながら走っていく。車窓からは崖を縁取るように咲く桜が続き、時折景色が途絶えたかと思うと眼下に渓谷が広がる。



菓子やらを持ち込んで、向かい席に行儀悪く足を伸ばして、絵に書いたような長閑な列車旅。


草津から高山まで直通特急が出ているので、予想以上に快適に飛騨に着いた。高山から穂高まではローカルバスで一時間半の道のりだったが途中で高山散策を挟むと苦もない。昔の陣屋街の風情と聳える嶺嶺を周遊できるコンパクトにして変化に富んだ道程。


高山など街散策を存分に楽しめる街では一泊数千円のビジネスホテルに宿を取るのが良い。食事処の選択肢も無数にある。一方で辺境の野天風呂を楽しむ宿は部屋での滞在時間も長くなろうから奮発しても良いだろう。町並みや文化、自然美の双方を組み合わせると2泊3日でも実に充実した小旅行になる。