曼殊院

あまり足を伸ばしたことのない北白川の寺に行ってみたかったので随分と北のはずれまで足を伸ばした、静かな寺。8世紀に最澄によって比叡山に創建され、1656年に良尚親王によって一乗寺現在地に移された皇室一門が代々住職を勤めた寺だそうだ。



緋毛氈のある手前が船、欄干が船べりを現しており、左奥手の三重の塔は須弥山に見立てているのだそうだ。その間には砂利で現された海と島々が横たわり、船で須弥山まで旅したい願望を現している。



鯛釣草。お寺だけに華鬘草と呼ぶべきかね。



一乗寺に移し再興した良尚入道親王の書画が展示されているのだが、後水尾天皇の猶子でありながらその作品の水準の高さに驚かされる。画は狩野探幽に学び、他にも華道、香道、和歌などに通じていた文化人らしい。隷書屏風が展示されているのだが、素人目にもわかりやすく素晴らしかった。