神なんていないでしょうよ

引き際の悪い後期高齢者の政治家が震災は天罰だなどと言ったけれども、被災地にきた実感として感じたのはいわゆる一神教的な神など存在しないということ。


「乗り越えられる試練しか神は与えない」なんて戯言は好きじゃない。これだけ大勢が命を奪われているのに、震災自体も亡くなった人には乗り越えるべき試練だったというのかね。もしくはほかの人の試練となる為に死ななければならなかったとでもいうのか。もっと試練を受けて然るべき人は世の中にいると思うのだが。


鳩山由紀夫不信任決議の駆け引きの後に管総理に対してペテン師だの人間として嘘をついてはいけないだのと吠えていた。首相を辞任する際に引退すると言っていた人だよな。正確に引用すると「総理大臣を終えた後、政界に残っちゃいけない。政治家たるもの影響力を残したい、という方が結構おられる。総理大臣まで極めた人がその後、影響力を行使することが政治の混乱を招いているんじゃないでしょうか」と述べている。忘れっぽい国民の一人だがそれぐらいは覚えている。なぜこの人が議員を続けているのかが理解できない。友愛だの人道主義的なことを言っていた彼からしてこの有様。


こんなくだらない政争に明け暮れる政治家を見ていると、やはり神はいないと改めて思う。なぜ人間を浅薄で利己的で誘惑に弱く作ったのか。製造業にもエラーフリーとかフールプルーフという概念がある。失敗しないように二重三重の構造を設けたり、害を与えるような誤用が起こり得ない構造にして造ることである。神が無謬性を備えて全能なら、より過ちを犯さない存在に創れたにも関わらず敢えてそうしなかったということにならないか。意図あって人間をいがみ合う阿呆な存在に作ったのならばそんなものを神とは呼び難い。


被災地体験は結局、より無神論に傾倒させたような気がする。