久しく建仁寺は意識の中になかったが、こうして立ち寄ってみると外国人の来客を連れてくるのになかなか適した寺だと思った。今度誰かを案内する必要がある時には一つの選択肢に加えよう。
立地は四条河原町から歩ける距離で清水寺などへの通過点として申し分ない。建仁寺、清水寺、高台寺、八坂神社と大きな円を描くように回れば丸一日費やせる道順となる。
風神雷神の屏風絵、龍の屏風絵。どれも写真を撮ることができる。まあ、これは複製が置かれているからなのだが観光客にとっては何を見てきたかを写真に撮って帰宅後に友人に見せたりブログにアップするのも楽しみの一部なので、これができるのは大きい。なにせ撮影禁止の寺社仏閣は多い。特に外国人はそれが本物であるか複製であるかよりも見て刺激的で印象的であるかのほうが重要だろう。モチーフもどこかで見たいかにも京都という絵面でわかりやすさがある。
そして双頭の龍の天井絵。まだ新しいこともあるが、白が鮮烈でコントラストが強い。淡く霞んだ水墨の龍とは比較にならない迫力がある。この巨大さと明快な白黒も良いのだろうね。よく見ると豚っ鼻だけれども。
建物も広く、縁側に腰をかけて思い思いに寛いだりもできる。新しい建物の入口にはなんと予想外にバナナの木が植わっていた。禅寺にバナナとは新しい。温暖化が進んだらマンゴーの巨樹が石庭に立つような寺も出てくるだろうか。