日本銀行券煎餅

先週、日本銀行勤めの友人から頂いた。なかなかの出来栄えだ。流石に透かしは入れられないけれども。


「諭吉先生の顔が長い」、「仕事が甘い」といったことを曼荼羅描きの女性は言った。モノづくりの現場の者からの手厳しさが可笑しかった。


銀行券サブレの外注先はきっと日銀天下り企業に違いない。うちらの中では暗黙の了解事項となった。


いっそのこと御朱印サブレなんて作れないか。銀行券サブレの隷書体の印の精度を見る限り、御朱印と墨書きもかなりの精度で再現できそうだ。「西国三十三所の第一の札所にお参りに行ってきたよ」なんて言いながら大判の御朱印サブレを土産に渡す。土産話を聞きながらポリポリと齧る。三十三所のサブレを収集したい輩もきっと出てくるはずで売上の増加が見込める。御朱印サブレを持ち帰ることで御利益のおすそわけのようにもなるし、食べれば邪魔にはならない。巡礼者の行動様式に当てはまる良い商材だと思うのだがどうだろう。友人にはさっさと出世して天下って御朱印サブレを作ってほしいものだ。