京都移住1周年

京都に移り住んで丁度一年が経った。この一年で自分が成したことを振り返るとただただ落胆するので京都について感想を述べるに留める。


何年か住んでいたらどこにどんな店があるかほぼ把握できるほどに程好くコンパクト。かつての都でありながら規模は地方都市と言える。チェーン店よりも店主の顔が覚えられるのが良い。


山に囲まれた盆地なのだがその山々が豊かな自然環境を提供してくれる。犬の散歩には困らない。市街地中心部でも川遊びのできる賀茂川、蛍の出る白川、桂川などがある。


少し北に車を走らせれば茅葺きの集落があるぐらいで、洛外から新鮮な地場の野菜が供給される。手作り市などで売られる農協を通さない野菜や果物は市価の半値で完熟しており美味。


京都人が暑さ自慢しているだけで京都の夏は別段しんどくない。エアコン無しでも問題ない。むしろ裸足で木床を歩く冬のほうがしんどいが分厚い靴下を履くなり対応はできる。


東京や大阪には雰囲気は良いが高いだけの店が多いが京都は小さな美味しい料理屋が多い。ただし観光客で賑わう割烹を除く。カフェと菓子店の種類の豊富さと水準の高さには脱帽。


梅、桜、蓮、楓と四季の移ろいを感じさせる植物が豊富で美しい。河川と山に囲まれ湿度が保たれる立地のおかげ。そしてなんといっても美術館や博物館、寺社仏閣が多いだけでなくあちこちで展示会、個展、演奏会が開かれ文化的刺激が多い。


ささいな難点は小生の好きな大戸家やモスバーガーが少ないこと、地下鉄運賃が高いこと、洛中の家賃が高いこと。古さや伝統に強い自負を持っている人が多いが、ならばもう少し景観維持に努められないものか。鴨川沿いに派手なパチンコ屋があったり立派な町家が潰され駐車場になったり。条例や規制を設けられる良い指導者に京都は恵まれなかったのか。規模は小さいが小京都と呼ばれる地方小都市のほうがそこは巧みだ。