ジパング展

高島屋でやっていたジパング展に行ってきた。


山口晃天明屋尚会田誠に代表される日本画風なポップアート作家ら32人作品がそれぞれ数点づつ集められている。


チケットの表を飾っている山本太郎の手による屏風絵なんぞは、能面を着け掃除機をもった人物が描かれている。古典の風刺絵というほどのものにも思えず、現代的な素材を古風にアレンジしてみました、昔のあれって現代のそれと似てるよねぐらいな程度。ぱっと観たときは面白い。斬新だと言う人もいそうだ。


しかし美しくないのだよ。アクリルでノッペリと描かれていて、じっくり味わう密度も深みもない。技術的にもよくわからん。細部を見て線がはみ出していたりなんだか雑。飾りたい、再度観賞したいと思えない。


ポップアートとはそういうものだ、軽さと自由さが信条だ、と開き直られたらそれまでだ。一発芸のようなインパクト勝負の画風なのだけれども、消費が一瞬でも今や70億人と言われる世にあってはそんなのも問題にならなくなった。しかもとても売れるのだろう。欧米では大いに受けるのだろう。


山本太郎会田誠あたりはくさしたくてたまらんが、山口晃天明屋尚のように素人目にも技術が高くて美麗な絵は見応えがある。なかでも一番は池田学。遠目にはなんとも美しい色彩だが細部に渡って遊びや空想が詰まっている。こういう
のは部屋に飾りたくなる。コピーのポスターで構わないのだが。