代白柿


これは「代白(だいしろ)」といったか。こうやって常温で追熟すると赤黒く柔らかくなって大層甘くなるらしい。柔らかくゼリー状になったところを凍らせてシャーベットにして食べるのも乙だとか。


思えば柿はとても身近な果物だ。少し田舎に行けばそこらの道端や空地に柿の木が生えている。甘柿か渋柿か曖昧なやつも多くて、生食できない渋柿は面倒くさいから捨て置かれたりもする。道端に梨や林檎や桃が実っていないことを考えるとその距離の近さは驚きだ。その一方で品種改良された随分高価な柿もある。底辺の裾野から頂点の高品質ものまで。柿を日本の代表的な果物とすることには説得力がある。


四季の存在は楽しめる果物の豊富さでもある。海外生活する前は果たしてこんなに季節の恵みを楽しんでいただろうか。それとも単に自分が年をとっただけなのか。