青磁陶器鉢にオブトゥーサ


最初の頃に作った青磁の鉢に植えられたオブトゥーサ。化粧砂に赤い砂をいれた。葉もすっかり紅く染まっている。


小学生の頃はオーストラリアに住んでいた。汽水域の川まで森の中の階段を数百段降りて行ったり、青い舌の蜥蜴を捕まえたり、巨大な蟻の巣を見上げたり。小さかったその頃、まだ兄貴の後ろについてまわって冒険に明け暮れた。そんな二十数年以上昔の少年時代にオーストラリアの中央砂漠、エアーズロックの近くで採取した赤砂。


断捨離ってのは好きじゃない。断捨離に従えばこの赤砂などまさに捨てるべき役に立たないものということになるのだろう。今の自分に似合うものだけを残すだなんてかっこいいことを言うが、なんでこんなものを買ってしまったのだろう、後生大事にしているのだろう、そういう無駄も含めて自分を知るのも悪くない。そんなに己のことを知らないのだから。


断捨離などしなくても無駄なものを買わない心がけはできる。捨ててすっきりしているからこそ新たに何かを買ってしまう心理は働かないか。新しいものを買い、古いものを簡単にゴミにすることにならないのか。結局、上手な捨て方ができずにゴミにしてしまっていないか。絶えずすっきりした状態を維持する為に、垂れ流すように買って捨ててを繰り返すより、新しいものを不要だと感じるほどにある程度のものに囲まれたほうが物を大事にする性分。断捨離なんてものは古色の出ない味気無い生き方だと思っている。