山中温泉 野天風呂


たまらんなあ。雪が降る中、清流と一面雪に覆われた山肌を眺めながら嫁さんとのんびり温泉に浸かる。日本では気軽にリゾート式のスパは利用できないが、それを上回る寛ぎではなかろうか。今まで訪れた温泉のうち五本の指に数えてもよいのではないか。


ここ、「花つばき」の風呂は観光ガイド本ならば必ずや載っている山中温泉の象徴的な野天風呂だが利用者はだれもおらず貸切状態だった。




川面までは五メートルほど。その間には遮る柵も無い。山間の湯舟。木肌の苔や落ちては瞬時に溶ける雪をぼんやりと眺めていると、唐突にドスンと枝から雪塊が落ちてくる。




湯編み着を貸してくれるので女性も気を使わずに家族で一緒に入れるのがよい。湯船が幾つもならんでいるのでそれぞれの空間を保ちながら入れるのだろう。


大きな旅館だと大抵、塩素が少しは入っていてなんとなく肌が痒くなる気がして最後に洗い流してしまう。源泉かけながしの温泉はやはり有難い。


今度外国人の友人知人に京都から足を伸ばして行けるお勧めの温泉を聞かれたらここを薦めよう。



  • 人工物が全くない山と川の雪景色
  • 木々の合間、清涼な空気
  • 源泉かけながし
  • 湯畑のような情緒ある湯舟
  • 湯編み着で家族で入れる団欒の湯
  • 木造更衣室の素朴な風情



好みの温泉の要件をどれも満たしている。秘湯好きならば2000円払ってでも入る価値有り。