第七陣窯出し 番外編と失敗作


窯で紛失していた作品が出てきた。他の生徒の作品と混同されていたのだそうで、そういうことがたまにある。土っぽい表面のいかにも陶芸っぽい鉢を造ってみたのだが、期待通りにひび割れが残ってくれた。白荒土を手捻りで10分ほどで一気に造形し、釉薬は伊羅保と黄瀬戸。釉薬がかかっているので割れ目も強度の問題はない。緑の濃い植物を植えこんだら映えるのではなかろうか。


こういうのを、「気に入らん」などと言いながら地面に叩き割ったら陶芸家っぽいのだろうか。満足がいかない作品でも焼成費がもったいなくて割る気にはなれないが。



以前、南国の友人が似たようなのを欲しいと言ってくれたので、もう一度二枚一組で角平皿を焼いてみたのだが見事に失敗した。しかも二枚ともだ。踏鞴造りは麺棒でピザみたいに延ばして切ればいいだけなので簡単だと思ったのだが、先生曰く轆轤造りよりも難しいらしい。歪ませずに造るのが先生ですら困難だとのこと。



前回よりも若干厚みを減らしたのが裏目に出た。裏面に釉薬が無く厚みもないので表面の白鳳釉が収縮する際に反り上がってしまった。薄く軽くしようとせずに分厚く作れば良いのだろうが、欲を掻いて踏鞴はいつも失敗する。しかも青磁釉が緑色に鮮やかに発色せず、くすんだ緑灰色になった。黒い染みのような抜けも数点ある。還元でなく酸化焼成すれば良かった。済まぬ、友よ。力不足でした。



素人の一喜一憂を一瞥もせずに窯の番犬は気持ちよさそうに昼寝。