道程

ホテルから職場までの写真をいくつか。



デリーとムンバイを繋ぐ大動脈でもあるらしく、大型トラックが荒々しく走る。例えばデリー都市部には17時までは大型車は入域規制がかかるらしく、トールゲートの前には17時までの時間待ちの長蛇の列ができる。それが17時を過ぎると一斉になだれ込むからなかなか危険なのだそうだ。


大型車に囲まれてクラクションを鳴らされるとなかなか怖い。何せいきなり車線変更してくる。職場の誰誰が昨年トラックに衝突されて意識不明の重体になったなどと怖い話を聞かされる。このスズキの乗用車などひとたまりもない。



1時間も走り、脇の幹線道路に入ると途端に道路は異種格闘場となる。自動車、二輪車、オートリキシャ、輪タク、荷台をつけた駱駝、馬、通行の邪魔になる牛。駱駝や牛は何馬力なんだろうか。



職場まで30分の距離まで近づく。牛かとおもいきや水牛。牛は聖なる生き物なのだが、水牛は神聖ではないらしい。水牛は耕すか乳を出すか死んだら革にするぐらいだが、牛はもっといろいろと与えてくれるから特別なんだと説明してくれたが、水牛にできなくて牛にできることは何なのだろう。水牛も角を落とせば皆の扱いが変わるのだろうか。



2時間も走り、職場の近くになるとこんな土壁の小屋が道の脇に並ぶ。最初は家畜小屋かと思ったが、聞くとこれも煉瓦造りの家を持てない人達の家なのだそうだ。どことなくアフリカ的。しかし窓もないし、中も2,3畳ほどの面積しかなく雨を凌いで寝るので精々かもしれない。



ようやく辿り着いた職場の外の光景は若干荒野。もちろん職場はそれなりにきちんとした建物ではあるのだけれども。


中国や印度製だから安いわけではなく、不便な環境で僅かな賃金でも働いてくれる人がいるから安いわけで、そうして作られた製品を安物だからと粗末にするようではいかんのだよ。中国だろうと印度だろうと都市部で作れば高い。