ベネチア映画祭で6分間もスタンディングオーベーションが止まなかったという高い評判を聞いて鑑賞したが、吐きそうなほどグロテスク。滑稽に思わないと受け付けられない陰惨なシーン。
俳優「でんでん」の怪演に度肝を抜かれる。本当の悪人はこんなんかもしれない。中途半端な美意識や道徳なんぞを吹き飛ばす破壊力がある。善良で気弱そうな人からも存分に人間の本性の醜悪さを引き出す。醜さを鮮やかに見せつけてくれ、観客のハッピーエンドへの淡い期待を嘲笑う。
生きるって痛いんだよ。
そうは言うけどこんなん見せられると、もっと性善説に寄って肯定的に甘く生きたいと思う。観て良かったのだか悪かったのだかすら思い定まらない作品。
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2011/08/02
- メディア: DVD
- 購入: 2人 クリック: 98回
- この商品を含むブログ (112件) を見る