陳氏書院



広州一帯の陳氏族の財を募って建てたという陳氏書院。建造物だけでなく展示物も素晴らしかった。広州タワーやら豪華絢爛なホテルや商業施設などよりもよほど心が躍る。無理して足を伸ばした甲斐がある。




灰色の煉瓦というのも渋くて趣がある。彩度が抑えられた中に赤い提灯や榕樹の緑が一層、際立つ。まるで視線を集めるためにそこにだけ彩色したよう。





本堂には天井まで聳える奥行きの狭い階段が設けられており、かつては陳氏族の牌が所せましと祀られていたことが窺える。英才教育を授かった陳氏の一部は来日して活躍したのかもしれない。麻婆豆腐を作ったり。いや、あれは四川、福建か。


裏手あった老若男女の群像は陳氏族に違いない。



瓢箪笛を吹くのも陳氏だと期待している。



これも昔日の陳老人に違いない。




紫禁城よりも手入れが行き届いている。むしろ市街にはあれだけのきらびやかな施設が建ち並ぶくせに、紫禁城の一部を未だ廃墟然に放置しているのは意図あってのことだろうか。




僅かに残された史跡で情緒に浸るも、外界に戻る門戸の向こうにはもうつまらぬ高層住宅が聳え並ぶ。