伊賀、モクモク手作り牧場

息子を三重は伊賀にあるモクモク手作り牧場というところへ連れて行った。車で1時間、京都北部へ足を延ばすよりも新名神高速で行けるので所要時間は思いのほか短い。甲南インターを降りた前後の車も吸い込まれるように牧場へ。牧場の近くまで来ると第二駐車場が埋まるほどの混雑。ここまで客が集まる牧場は初めてかもしれない。乳幼児にやさしく、ベビーカーで快適に安心して回れる有難い施設だった。



年に2回の牧場動物によるレースが行われているのだという。それにしても家畜という文字が子供向けではないな。ちびっこには「家畜」という言葉は背伸び過ぎるのではなかろうか。



大盛り上がりだった。レース毎に参加する家畜の顔ぶれは異なり、ミニ豚だけのものもあれば豚、鴨、羊、子牛の混成レースなど10レースほどが行われる。来客者が家畜を後ろから追い立てるジョッキーに立候補でき、大勢が勝ち番を予想する。嫁が鴨の連番にかけ、見事勝利して林檎を頂いた。他に米や野菜も選べるらしい。



地ビール、叉焼、豚や牛や山羊の各種ソーセージ、豚のスペアリブ、焼き立てパン、焼菓子、牧場の牛乳を使ったジェラートやソフトクリームなど食事も美味しく、混雑ぶりに納得がいく。次回は是非、スペアリブを食べたい。



牛「おいおい、散々、カワイイー とかはしゃいだ後にそれ食うのかよ!」



山羊「メーン 人間ってのはこうやって小さい時から綺麗事な世界を楽しんで裏の真実に目を向けないことを覚えていくんだな」



牛「そんな藁の一本で牛が懐くと思うなよ、人間のガキが。こうして繋がれちゃいるが、牛の誇りは捨ててねえ」


この後、この牛は幼児を鼻先で小突いて倒してしまうという暴挙に出た。予想もしない事態に泣き叫ぶ子供。飼育員は母親の手前、牛を叱っていたが牛の耳に説教。家畜だって耐え難きを耐えているのか、不満は爆発する寸前なのか。某大陸の農民工戸籍の若者のように。



帰り道には甲南インター傍にある木造校舎を転用したマンマミーアというカフェに立ち寄る。牧場の騒々しさとは一転した静けさと寛ぎが得られて良い。



まだ生後5ヵ月なので何がわかっているのか不明だが、外出した日は夜まで機嫌が良いしぐっすりと寝るので幼子ながらに楽しいのだろう。陽を浴び、子供の歓声や家畜の鳴き声を聴き、風を肌で感じ、家畜の肥しの臭いを嗅ぐ。さまざまな刺激は成長に良いと信じ、今後もちょくちょく連れ出したいものだ。