11日付の読売新聞が「iPS心筋移植 初の臨床応用」という記事を掲載し、その後森口氏の詐称が判明すると13日付の紙面で検証記事を掲載し「それ(ウソ)を見抜けなかった取材の甘さを率直に反省し、記者の専門知識をさらに高める努力をしていきます」とささやかに記しはした。その後は開き直って只管「日本の恥」だの「会見でニヤニヤした笑みを浮かべていた」だの叩きまくって社会制裁を加えている。詐欺だの詐称だのは世の中にありふれているのに、それを鵜呑みにした挙句、詐称する方が悪いみたいなことを言われてもな。詐称が悪いのは当たり前で、報道機関としての能力の欠如が問われているのに。助成金詐欺としてさっさと小記事にして片付けるべき程度の問題。
今度は週刊朝日が「ハシシタ 救世主か愚衆の王か 橋下徹のDNAをさかのぼり本性をあぶり出す」と題して橋下大阪市長の不適性を部落の出自や自殺したヤクザの父親、殺人を犯した父親の親族を持つ彼のDNAに求めるとんでもない記事を掲載した。
橋下市長は「政策論争をしないで先祖を徹底して調査し暴露するというのは言論の自由の領域を越えたもの。身分制度を肯定するような報道機関はナチスドイツの民族浄化政策とも一脈通じるもの」と話し週刊朝日を批判した。結局、週刊朝日は不適切な表現を詫び、週刊朝日が部落差別や血脈主義を肯定する立場ではないと弁明している。しかしまともな読解力を持っていたらあの記事が部落差別や血脈主義を助長しているのは明らかだ。詫びるべきは不適切な表現そのものではなく、週刊朝日の編集判断力の低さか週刊朝日が持つ部落差別や血脈主義を肯定する姿勢を詫びるのが筋だと思う。まあ、できないだろうが。
読売新聞に関してはまともに検証せずに記事を掲載したメディアの無責任さ、そして開き直るか視線をそらすかのような手のひらを返した森口氏叩き。朝日新聞に関しては100%子会社の週刊朝日を他人事のように責任逃れの回答を続ける姿勢、そして週刊朝日は潜在的な部落差別や血脈主義を肯定した取材姿勢もしくは編集検閲能力の低さ。
新聞社のこういう始末は記憶に留めておいたほうが良いと思う。毎日、毎週の締め切りの中で100%の検証は求められない。人がやっている限り、人の本性や誤謬性と無縁ではない。だから報道も多少は半端で信用できないものとして話半分に聞いておかないといけない。