スロバキア人の友人がついに帰国するというので、同僚との忘年会に誘い込み、木屋町の鴨料理屋に食べに行った。
鴨のモツ煮込みに鴨のローストに鴨のカツレツ。そして鴨のグリルに柚子胡椒の合うこと。鴨しゃぶしゃぶ鍋は鴨の出汁がトンコツかと思うぐらい溶け込んで白濁していてなんとも濃厚。薄くスライスされた生肉を軽く湯にくぐらせて原了郭の黒七味で食べると何ともうまい。柚子胡椒で食べてもこれまた美味い。
濃厚な出しに煮込みラーメンを3人前放り込み、さらにオジヤを3人前。うむ。鍋に入れる麺は饂飩よりラーメンのほうが合うと思う今日この頃。明らかな食べ過ぎ。
スロバキア人も味のバラエティーの豊かさには驚いたと言っていた。スロバキア料理もイタリア料理も美味いけれども、なんだかんだ似た味が多い中で、鴨の濃厚な味を楽しむ和洋様々な食べ方、そして柚子胡椒や山椒の利いた黒七味のスパイスなど味の幅がなんとも広いと。こういうやつは連れて来る甲斐がある。どこぞのステーキやBBQしか有難がらない外国人と違って。
エビスを愛飲する彼だが、店では五山の送り火と八坂の塔をあしらい、片面には恵比寿様のロゴの入った非売品のグラスに注がれて出てきた。せっかくなので、店長に日本に来た思い出にエビスビール好きの彼に京都限定版のグラスを譲ってくれないかと無理なお願いをしたところ、お金は受け取らずに包んでくれた。こういうの、惚れますな。味も良いうえに粋な心遣いもある。
むしろ、こういう限定グラスは積極的に外国人なんかに売れるのではないかと思う。麒麟の柄や恵比寿の柄はなんとも日本らしいではないか。そこに鳳凰堂のシルエットや龍安寺の枯山水やらを入れたら麦酒愛好家にはたまらない土産になる。