デリーで一番気に入った憩いの場所。睡眠不足の体に鞭打って訪れた甲斐が一瞬で報われた朝靄の中の遺跡公園。
地球の歩き方を始め殆どのガイドブックには何故か載っていない。入場料は要らない。漆喰が剥がれて積み石が露出した壁、僅かに残る装飾の跡。最盛期には石の構造の上にどんな木造構造が載っていたのか、想像するのが楽しい。朽ちた複層階のかつての宮殿は緑に溢れ、遺跡を栗鼠や鳩、鸚鵡が戯れる。
安全の為の柵などなく、石の回廊をくぐり抜けると10mの高さの石のテラスの上だったりする。
ヨガをしている爺さんがいたり、バトミントンをしている少年がいたり、ボール遊びに興じるスカーフを被った少女達がいたり。生活の一部となっているのが心安らぐ。
レッドフォートやらの観光名所などよりも、遥かに良い。日本人の感性にはこちらの方が合うのではないか。ロディ公園といい、こんなかつての廟や宮殿がゴロゴロしているのだからインドは裾野が広い。