映画「ARGO」、「Trouble with the Curve」




長距離出張の機内の楽しみは国内ではまだ上映されていない映画。Cathyはフルフラットの座席に加え、なかなか風変わりなキャビンになっていた。



ARGO
いかにも映画のような粗筋が実話だったということにこの作品の9割の価値を依存しているような気がする。ベンアフレックが主演とプロドューサーをこなしているのは凄いの一言だが、別段、感動もない。誰に対しても感情移入は起きない。こんな信じ難いことが昔、あったらしいよという小話を二時間かけて映像化しただけのような作品。私にとってはとんだ評判倒れ。



Trouble with the Curve
旧世代の人間のこうであって欲しいという願望。コンピュータやデータには弾き出せない生身の感覚でしか判断出来ないものがある、という願望。自分もそういうのは好きだけれども。


最後の展開はちょっとあまりにも痛快過ぎてすっかりと娯楽映画。


クリントイーストウッドがもはや老人となった自分自身の弁解、懺悔を入り混ぜたような作品。老人は敬えと言うが、今のロクでもない我らが歳を取ったからといえ、物事を見通せるようになるわけでも、聖人になるわけでもない。どの世代でもいる割合で立派な人もそうでない人もいるわけで、むしろ年取ると頑固になる分、質は悪いのかもしれない。それを隠さずに無様な様もさらけ出した上で、それでも人生捨てたものではないと思わせてくれる。


プロドューサーと主演を兼ねているベンアフレックとクリントイーストウッドの作品を続けて観たのだが、クリントイーストウッド作品のほうが演技も演出も深みがあるようで好きだな。観終わった後に心に波紋を残してくれる。