主人公である少年、トーマス・ホーンにギルバートグレイプのレオナルド・ディ・カプリオを思い出した。そのぐらい才気だった演技だったと思う。
子供なんて所詮子供と思いきや、持て余すほどにアンバランスに一部分だけ大人だったりする。そんな12歳の少年の複雑な心の内を余すところなく描いている良作だと思う。
「パパは常に自分を対等に扱ってくれた」という台詞があった。これは、なかなかにしんどいことだと思う。12歳ぐらいになると大人が誤魔化したり逃げたりしている建前や不条理なんかも感知し始める年頃。適当にその場しのぎの子供扱いで言い逃れているとそれを敏感に察知しよる。まだ子供なんだからわからないと高をくくってしまいがちだけど、真っ直ぐに物事を観ていたりする。
ところがこの映画、アメリカ本国での評価は芳しくない。今年のアカデミー作品賞を受賞したARGOなんぞより遥かに良いと思うのだがいまいち理解ができない。9.11というテーマが受けが悪かったのか。どうやら、9.11を商業利用したという風に一部見られているが、オリバーストーンの「ワールドトレードセンター」のほうがよっぽど商業作品だ。サンドラブルックの気持ち悪いぐらいに出来過ぎた母親像が嫌われたのなら、そこに関しては同意するが。。。
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