椿餅 祇園饅頭にて


東山白川にある1819年創業の祇園饅頭の工場直売所にて。


餅米を砕いた道明寺粉のお餅を椿の葉で挟んでいる。150円也。道明寺の粘りの強い食感と噛むと中心から湧き出す甘さがなんとも美味。


葉で包んだ餅は葉が食べられるのかどうかイマイチ良く分からない。桜餅は桜の塩漬けの葉を一緒に食べて楽しむからそれこそ桜餅なのだけれども、椿餅の椿の葉は食べられず、極端に言えば包装材に過ぎず餅本体ではない。柏餅も同様だ。それを椿餅と呼ぶのには違和感がある。例えば竹の葉に握り飯を包んでも竹飯とは言わない。なので、うまいうまいと頬張りながらも椿餅という名前にどこか狐に包まれた感がする。椿の実や葉を砕いて道明寺に混ぜ込むとかしてこそ椿餅だと思うのだが。椿の葉で香り付けをしているのだと言われても、椿の葉はそんなに香らんし。


包むだけで名付けられるならば、菩提樹の特徴的な葉で餅を包んで菩提樹餅なんて作ったら法事に良いのでは。公孫樹餅とか葵餅なんてのもよさそうなものだ。花弁で包むか乗せるかして茉莉餅とか蓮華餅とか藤餅なんてのもなんとなく良さそうな印象を与えられるかも。


名物の類には見た目は違えど、味は一緒というのが案外多い。しかし餅好きとしては、包む葉のバリエーションや型のバリエーションではなく、味のバリエーションを増やしてほしい。