石切場の削り取られた岩壁の奥まった一画に日本最大の磨崖仏がある。百尺観音。
なんだかスケールが大陸的で泰山にでもありそうな雰囲気がある。
磨崖仏に至るアプローチも素晴らしく、左右に切り立った岩壁とそこに茎根を這わして茂る植物の雰囲気が東南アジアの遺跡さながら。薄暗い切り立つ壁の合間を照らす一条の光線。隆盛も忘れ去られて久しい廃墟のような空気感が好みだ。
その奥へ歩を進めると頭上に聳える観音像が現れる。石を切り出された壁面に昭和41年に彫られたらしい。雨風が当たらず、100年、500年と姿を残すに違いない。もう少し造詣が繊細に造られていたらなお良いのだが、どこの巨大石佛もえてして大味、大雑把。