伊東の文化財に遊ぶ

東海館を見学して回る。バルチック艦隊を打ち破った東郷平八郎さんの簡素な羽織袴姿が役職の高い人にしては質素で意外に映ったようだ。


彼氏の方は床の間や畳の値段相場に興味を示していた。空手をやっていたとかで、ルーマニアの家に畳が欲しいらしい。一畳で2万円ぐらいか。紙や草など安い素材で作っているのでもっと安いものだと思っていたらしく、値段に驚いていた。今では生産者が少ないから貴重品になってしまったのかねえ、と溜息をついていたが、しかし相場は100年前もさほど変わらなかったのではないだろうか。




格天井の大広間でふざけたり、そんな写真を撮ったり。残念ながらコンサートや能などの催しはなかった。この日は金屏風が置かれていた。


箱膳が何十、何百と並べられて大宴会が行われていた姿を想像してみたりする。



宿に戻り一休み。温泉に入ることにしたが、友人女性は誰かが入ってくる大浴場は到底無理だという。水着をつけても良いかと言うので、それならばと貸切風呂に彼氏と入ってもらった。浴槽は皆が体を温める為のものなので、体を予め洗って綺麗にし、石鹸の泡もタオルも浴槽には入れない入浴心得を申し伝える。欧米人は四六時中、キスしたりハグしたりと愛情表現が豊かなのでどこまでが彼らの常識かわからない。冗談半分にセックスとかも駄目だよと伝えておく。真面目に伝えると気まずい空気になりかねないので、冗談のようにさらりと釘をさせて、なんだかうまいことやれた気になった。



夜は蟋蟀とせせらぎの音がうるさく感じられるほどの静けさの中で就寝。


何度見ても素晴らしいと思う有形文化財の建物、内装の旅館だ。これが10畳+4畳の個室で1人素泊まり4500円だと言うのだから驚き。

東京から外国人をもてなす1泊小旅行に最適な鉄板のコース。