フクロウカフェ バロン

最近、猫カフェやフクロウカフェ、ウサギカフェなどが外国からの旅行者に人気らしい。この手の店は無いのだという。動物愛護の観点で日本は緩いからという話もある。いづれにしろ、ネタとして外国人来訪者に興味があるか聞いてみる価値はある。そういえばルーマニア人の友人も渋谷の猫カフェに行ったらしい。



前々から気になっていた。時折、腕にフクロウを載せて散歩している三人組をルック商店街で見かけたが、やはりフクロウカフェバロンの人達だった。


ここのフクロウカフェはフクロウの生態に真摯に向き合い、正しい理解の元に人との共存を目指しているそうな。ベタベタと誰彼にでも触らせる他のフクロウカフェに否定的だ。



大型のフクロウに至っては握力が250kgもあるのだそうだ。それでもって鋭い爪を備えているので肉なんて容易く切れてしまう。適切な馴致がされていないフクロウに猫やウサギに触れる感覚の客が近づいたら、いつか事故は起こるのかもしれない。


猛禽類をひとまとめに語って不正確な情報を撒き散らす自称鷹匠にも批判的。ちなみに猛禽類という分類は鉤爪と肉を喰いちぎる鉤鼻の嘴を持つ鳥類全般のことで、肉食であるかは関係ないそうな。よって昆虫食の猛禽類だっている。猛禽類というのはそれだけ範囲の広い分類らしい。


だから鷹匠だからといってフクロウの扱い方を語るのは、飼猫の経験を元に虎の飼育方法を指南するぐらいのイイカゲンさなのだという。



このカフェにいるカラフトフクロウは大変珍しいらしい。


腕にフクロウを乗せて無言でルック商店街を歩いていたのは馴致訓練だったそうだ。野生のフクロウにとって向かいから集団で歩いてくる人間とすれ違うのは恐怖であるらしい。自動車の音、自転車の音、近距離ですれ違う人間。それらに慣れさせる。その際に飼主が話しかけて安心させては意味が無いという。五感で雑踏を感じて慣れてもらわないといけないのだと。また、このような馴致を常にし続けないと野生に帰ってしまうのだという。そこが家畜化された動物との違いなんだそうだ。


とても真摯にフクロウに向き合っているのはわかった。貴重な体験をさせてもらった。


見世物として客にベタベタ触らせる流行に乗ったフクロウカフェや知ったかぶりの鷹匠に腹を立てるのも理解できる。

とはいえフクロウからしたらどうなんだろうね。より少ないストレスで飼われる方法を模索されるよりも、野生のフクロウなんて飼えないという理解で居られた方が彼らにとっては良いのでは無いだろうか。正しくフクロウの生態を理解しているからフクロウカフェを経営するし生体販売もする。フクロウを理解して無い他のカフェや鷹匠と一緒にするな。フクロウにその論は通じるのか?


フクロウからしたらお前らの誰にもフクロウを不当に拘束する権利は無いと言いたいかもしれ無い。お前ら人間にフクロウの何がわかるのか。より知識のある知ったかぶりと全くの知ったかぶりの目糞鼻糞だと。俺の話も聞け、と。


好物の食べ物を食べられて、ストレスも最小限にするように努めているから、俺はお前を軟禁する権利があるとか言われても納得はできんわな。ただ、捕まって拘束されている無力な自分の惨めさがあるだけだ。