R座読書館


仕事をしにお籠りするには、あるいは思索にふけるにはこれ以上の店を知らない。



緑に溢れ、熱帯魚水槽があり、本棚があり、小さく区切られたローチェアと机があり、趣味興味に任せた本やオブジェが並ぶ。こんな書斎があれば良いのに、という夢想した姿がここにある。すべての席が異なるコンセプトを持っているらしい。今回は水槽を独り占めできる席。



食事は提供されず、美味い珈琲と紅茶、僅かばかりの甘味が出される。私語は基本的に禁止。談笑しに来るお客様はご遠慮下さいという、用途を選ぶ喫茶店。



芥川龍之介の胸像のある本棚の間の一角。なんとも愛でたくなる文学色満載な小さな空間。自分ならば正岡子規の一角を作りたい。




ああ、自分の家にはスタンドランプの光源の風情を楽しむような薄暗い空間が何処にもない。内庭を作ったらどの部屋も採光が良く明るくなりすぎた。世間的には素晴らしいことなのだろうが、多彩な空間を作りたかったので薄暗い空間を作り損ねたのは失策だ。





本を読んだり、考え事をしたり、物書きをしたり。数杯の飲物で誰もが長居するのだから儲からない。こんな店があるのは街の懐の広さ。


豆から挽いて淹れる珈琲は美味い。キリマンジャロを頂いた。600円也。食事に合わせるわけでもなく、ケーキを豊富に出すわけでもないのだからこの珈琲の値段は安い。ブラウニーは濃厚で珈琲を2杯頂ける味で200円也。存続が心配になる価格設定。潰れては困ると皆、注文するのかもしれない。



昼は12時から営業。案外、満席であることも多い。昼飯は提供していないので、11時半頃から昼飯を済ませ、開店早々にお邪魔して混雑する14時から15時頃に店を出るのが吉。さもなくば22時半までやっているので夜にお邪魔するか。

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