私が敬愛する日本酒蔵元「庭のうぐいす」の山口酒造の主人が東京に来るたび、高円寺に来るたびに食べると卸酒屋に勧められた蕎麦屋。
十割蕎麦は750円。
茹で上がると店主が「お待ちどおさまでーす」と厨房から愛想の良い声を上げる。奥さんが無駄な物が何も置かれていない店内を通って運んでくれる。見た目と裏腹に店内は広々としている。装飾性は皆無。
蕎麦通を唸らせる味なのかどうかは知らない。しかしなんだか、ここの蕎麦は蕎麦を食べている充足感が得られる。4mmほどの幅に切られた蕎麦。薬味は山葵、大根下ろし、葱。
ちゃんと石臼で挽いて、毎日蕎麦を打っている。蕎麦に真面目に向き合っているのだな。もっと値段上げても良いのに、と思ってしまう。高円寺で食べる限り、蕎麦屋はもうここで良い。他の蕎麦屋を試す気は亡くなった。
残念ながら子供椅子はなく、ベビーカーも通路が狭くなり危ないので遠慮いただいているとのことで、乳幼児に優しい店ではない。3歳ぐらいになってから連れて行こう。