偶蹄類多肉鉢造り

2週間ぶりの陶芸。自分にとっては不思議なことに一番のストレス発散の手段となっている。ただ目の前の作業に没頭して、土塊の出来不出来に一喜一憂することで他の全てが忘れられる。


前回削ったリム皿を放置して、偶蹄類の立像風植木鉢を作るのに夢中になってしまった。リャマと鹿の混ざったような感じだろうか。

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脚を4点着地させると乾燥時の歪みでガタガタしそうだったので、前脚を上げさせて3点とした。

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偶蹄類だから蹄は二つで良いのだろうか。蹴爪の形状がよくわからない。架空の偶蹄類ということにしよう。

 

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顔をどれだけ作り込むか悩ましかった。鼻の形も単に黒くするだけにするのか、鼻穴などを立体的にするのか。あまり精巧に作りすぎると全体も精巧に作らねば均整が取れないし、写実を目指すなら徹底的にやらないと単なる技量の低い造形になってしまう。粗い造形らしさを残しながらも顔だけは多少細くても良いか。鼻穴だけは作ってやった。

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無論、植木鉢なので角が生えるべき箇所に穴を開け、そこから枝状に分岐する多肉植物を植える構想だ。首はくり貫き、土を詰めることで直根性の多肉植物も十分に根を伸ばせるのではないかと思う。

 

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なにせ、中を刳り貫いているものだから胴が弱い。脚は精一杯太くしたが、重量に負けて素焼きや本焼成の際に大きく歪む恐れもあるので腹の下に支えの台を用意してやった。首の下がただでさえ頭などが乗っかって負荷がかかるのに一本脚で支えないといけないので歪まないか不安だ。耳も乾燥時に薄い分早く乾いてしまって破れる恐れがある。無事に乾燥してくれますように。

 

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赤土で作った躯体に白化粧土を塗った後に表面を軽く落とし、地の赤土色を出して毛並みを感じさせたい。可能ならば釉薬は施さずに焼き締めて、落ち着いた燻んだ風合いにしたい。蹄や耳は赤土の地色を活かし、鼻、目を黒土で塗ろうか。それとも蹄、鼻、目だけは艶のある黒マットを塗ろうか。


鹿のような体型だと時々言われるフィリピン生まれの愛犬の為に「マンゴー7歳を祝して」と刻もう。