窯入れの際に耳をぶつけて折ってしまったとのこと。仕方ない。何回も謝られて、申し訳なくなる。こんな脆そうなもの、作るならば自分で窯入れ窯出しをしなさいと言われてもおかしくない話だ。そのうち子供に壊されることを予感してはいたが、出来上がる前に壊れるのは予想外で苦笑。
目や鼻は「黒マット釉」を掛けてテカらせても良かったかもしれない。全体としては土っぽい色味を抑えた印象は狙い通り。さりげない室内雑貨風とでもいうのか。
焼くための補助土台込みで570g。焼成費も安く済ませるためにも、もっと軽く作りたいが、あまり軽くするとバランスが悪くなって転倒しやすくなるので悩ましい。
副蹄がない。副蹄が本来ある箇所で乾く過程で重みで足首が屈折してしまった。前脚の長さがおかしい。いや、前脚の曲がる位置が本来はもう少し高くあるべきなのだろう。もっと骨格を思い描きながら造るべきだった。まあ、全体を総括するとデッサンが狂ってるというやつだ。また正しい寸法で造りたい。
首を太く長くするつもりだった。デフォルメをするならするで誇張しないと、半端なデフォルメでは写実的に作ろうとして失敗した感が強まる。
![f:id:mangokyoto:20161103232310j:plain f:id:mangokyoto:20161103232310j:plain](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/mangokyoto/20161103/20161103232310.jpg)
問題は首の中の土量が少なく、身体の中まで根を伸ばす必要があること。乾燥への強さが求められる。
鹿の頭を室内側に向けて置いておくと、外の日光を求めて後方へ後方へと分岐しながら伸びていくのも都合が良い。
尻尾には「銀月」が良かろうかと。純白で先の尖った形状は尻尾に合う。それがどんどんと成長して分岐していくとどうなるのか。バケモノじみていくのもそれはそれで楽しみ。
この制作速度の遅さがなんとかならんものか。失敗からの学びを反映させながら複数を作っていくようでないと、上達する間も無く衰えていく。数ヶ月、こもって制作に没頭したい。