8個ほど直径4〜5cmの小さな壺を水挽きした。土の柔らかさを入念に整え、幾度も向きを変えながら菊練りをしたので挽きやすい。土が整ってると少し歪んでも挽回しやすい。やはり下準備を丁寧にするのは肝心。
敢えて大小、表情を変えて作った。これらの底を丸く削り、中空の円柱茎をつけて林立させたい。
ふと、アマチュアとプロの陶芸家の違いは何だろうと思い耽った。アマチュアでも器用な人はそこそこ綺麗な形の器を作れるだろうし、そこらの平均的なプロの陶芸家の作る食器とて真似できないものではないように思う。その作家だけが独自に生み出した個性的な釉薬という差別化はあれど、轆轤挽きの食器においては形に差別化する余地は案外少ないように思う。
アマチュアとプロの分かれ目は高い品質の器を採算の取れる効率の良さで作れるかではないだろうか。内側を削るようでは論外。外側も削る必要がないほどに最初から薄く均一に挽けるかどうか。一つを挽くのに何度も何度も触るのではなく、塊を取り、広げ、立ち上げ、形を決める最低限の手数で作れるか。同じ寸法で高い再現性で挽けるか。高い歩留まりで焼き上げれるか。そういう基礎的な技術の積み重ねで作陶で食べていける最低限のラインが確保できるのではないか。もちろん、その先にはその人にしか作れない形や質感の領域があり、名声を博す陶芸作家となれるかの境界域となるのだろうけれど。陶器市や雑貨屋で売られる陶器を見て思った正直な感想だ。
そんなことを思いながら削らない覚悟で挽いた。薄さ2〜3mmといったところか。それなりの大きさのものを、思った以上に手早く挽けた。これも土の柔らかさや念入りな菊練り、土殺し、芯出しができていたからだろう。あれよという間に挽き終えられると爽快感に包まれる。この感覚を忘れないようにしたい。
間抜けなのは高台の土をケチって浅く切ってしまい、挽いたばかりの器を持ち上げた際に歪ませてしまう。余裕を持って切ろう。
茶碗連続100個練習とかやれば一気に上達できそうなのだがな。そんな練習もある種の贅沢だ。土を何キロ使うことになるのだろう。
立方体鉢に再挑戦すべくタタラで24枚採った。8cm四方のものを1箱と、7cm四方のものが3箱分ある。これを1週間ムロの中で乾いて固くなりすぎないように保管する。感想しすぎると反りはじめてしまう。
窯場を見たら、まだ素焼きは行われていなかった。待ちきれないので何を植えるのか考えてみる。できる限りそれぞれに似た径の多肉植物を植えたい。
2番目に太い筒はこの「マミラリア」
3番目はおそらく「龍神木」。
4番目に太いのは「姫将軍」
もっとも細い径には「峨眉鉄甲」なのだが最も細いものが最も背が高いのはアンバランスではなかろうか。
中央が一番高い山形が良いかと思ったが、この際、左端に「峨眉鉄甲」と同じぐらい高いものを植えられれば格好がつくかもしれない。棘だらけのもの、棒状の葉っぱが生えてるもの、ツルツルのもの、鱗状のものなど形の多様性を見比べて楽しめる。
左端には何を植えたら良いのだろうか。予算とご相談。廉価で形状が上記4種と異なり、太くて高くなる品種で思いつくのは「鬼面角」だが、すぐ根詰まりしそうでもある。悩ましい。