高円寺で40年 アレンジ珈琲が豊富な正統派喫茶店「ポエム」

・ザ・昭和喫茶の雰囲気に浸りたい時に
・正統派喫茶店の風情ある雰囲気
・アレンジ珈琲が豊富
9:00〜23:00までのいつでも受け入れてくれる長時間年中無休営業
・気になる名物珈琲ゼリー
・とってもお得なセットケーキが美味
・静かで恭しい執事のような店員
・暇潰しに読める雑誌が豊富
 
高円寺駅の南口、氷川神社の手前にその店があることは知っていた。プラスチック製の古そうで黄色い看板はドトールの類似店のような印象が少しあった。完全な個人経営の喫茶店だと木製やら鉄製やら看板にこだわる場合が多い。あえてプラスチック製の看板にお金をかけるようなことはしないのだろう。それがチェーン店らしさの印象を与える。

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いつも70代近い爺様、婆様で賑わっている印象の店だ。若いカップルがデートで使う印象はない。レトロハンターのような小さな洒落た一眼レフを下げた女子二人組は見かける。そして何かの営業マンが休憩して寛ぐ姿。そんな正統派レトロ喫茶店の一つだ。

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なんと阿佐ヶ谷で創業したポエムグループは今年で創業50年だそうだ。北は山形から南は沖縄まで展開していることも知らなかった。しかも山形、埼玉、神奈川、長野、大阪、高知、沖縄には1店舗や2店舗しかないのだからチェーン店としての配送の効率性が計算された上での展開ではない。個性と希少性を失っていないチェーン店。どこにでもある代わり映えのしないチェーン店ではない。高円寺店は今年で40年とのこと。

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珈琲100種類が売りであるそうだ。しかも最近流行りのケニヤ産、グアテマラ産という風に産地で無数にメニューが構成されているわけではなく、珈琲、カプチーノ、エスプレッソという定番からミルクを加えたもの、メランゲを加えたもの、シナモンを加えたもの、ウイスキーを加えたもの、ブランデーを加えたものといったようにアレンジ珈琲のメニューが豊富。

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ツイムトメランゲというカプチーノにシナモンパウダーを大量に振りかけたやつを注文した。珈琲を甘くして飲むのは嫌で、珈琲をブラックで飲むには胃の調子が悪いように感じる時に最適な一品。こんなにシナモンをかけたら珈琲本来の風味がわからなくなるじゃないか、と珈琲通は言うのだろう。だって美味いんだから良いじゃないか、というのがこの店とこの店を愛する客の返答なのだろう。シナモンパウダーを家に備えようと思った。

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珈琲は580円ぐらいから650円ぐらいまでが中心価格帯。アルコールやアイスクリームを乗せた手の込んだアレンジ珈琲は700円代から果ては1000円代まである。
 
2+2=3というよりも3+3=4に近い、わかりやすいほどにお得なセットケーキ料金が嬉しくなる。しかもケーキセットの値段は800円と一律にも拘らず、値段の異なる珈琲数十種類の中から好きなものを組み合わせられる。580円のものを組み合わせても、630円のものを組み合わせても値段は変わらないのだ。カプチーノだったり、加えるものがミルクからメランゲに変わったりと違いに対して細かな値段の違いをつけているクセにセットにしたら値段は一緒。
 
折角ならばこんなアレンジ珈琲を試してみよう。そうやって膨大なアレンジ珈琲のメニューの森に繰り返し迷い込んでいくことになる。

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セットに合わせて注文した胡桃や洋酒漬け果実などがふんだんに入ったケーキが、これが存外に美味しかった。香ばしさと本当に丁度良い後味の良い甘さ。珈琲といい、ケーキといいハズレがない。名物は珈琲ゼリーだそうだ。次回はそれも試さなきゃ。

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店員さんがまるで執事のようだ。白いシャツに黒のベスト。シュッとした長身のすらりとした男性が清潔感のあるオールバック。執事というより、これはバーテンダーの装い。寡黙だがにこやかにサーブしてくれる。どうやら、高齢の婆様を惹きつける要素はこのバーテンダー店員であるらしい。少し得意げに「いつもの珈琲をお願いね」とお願いする老婦人に二回隣り合った。「かしこまりました」と恭しく頷く店員。

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ポエムが掲載された過去の雑誌だけでなく、適度に数種類の雑誌の最新号が積まれている。無目的に来店して雑誌を読んで時間を潰すのにも良い。
 
自分が仮にカフェをやるならば取り入れたいのはお得で嬉しくなるケーキセット価格構成、ナッツ系の香ばしいケーキ、いくつかのアレンジ珈琲、そして執事然とした身なりの男性店員衣装。まあ、女性店員にはレトロワンピースを着てもらいたい。喫茶店には制服だよ。

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ああ、また何度も通ってあれこれメニューを試してみたい店を高円寺に見つけてしまった。再訪しなければならない店リストが増え続ける一方だ。
 
唯一の希望は全面喫煙可能なので、分煙制にして欲しいこと。
 
年中無休 9:00〜23:00