ガーデンバイザベイのドーム型温室植物園は二つが対になっている。一つは先に書いたクラウドマウンテン、もう一つがフラワードーム。
品種名がわからんが、白い稜線が群生するとなんとも見事。
貴重な温室のこれだけのスペースを多肉植物に割くということは、設計者なり発案者と承認者の中に多肉愛に溢れた人がいたのだろう。シンガポールでも多肉植物愛好家は多いのだろうか。
調べてみるとシンガポール公園局が主体となって建設された国家プロジェクトで二つのガラスドーム温室の空調設備は日本の「大気社」という会社が受注施工している。ドームのうち1棟は高湿度のクール・モイスト空調を採用したドーム (0.8ha)、もう1棟は低湿度のクール・ドライ空調を採用したドーム(1.2ha)となっているとのこと。ガラスドームの外装カーテンウォール工事を施工したのは、YKK AP ファサード社。巨大で透明な建築物なのだが、1000パターンを超す6000枚の平面ガラスとアルミフレームで構成されているとのこと。ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの照明を手掛けているのは、建築照明デザイナーの面出薫氏率いる株式会社ライティングプランナーズアソシエーツ。今の日本には優れた技術企業群があってもそれを統合して描き出す構想力に欠けるということなのかね。
総工費は10億シンガポールドルとも言われている。日本円で800億円。豊洲の新市場は6000億円が注ぎ込まれたと言われているし、オリンピック会場は1兆円を超えるなんて話を聞く。なんだか、あまりに投資が下手ではないのかね。クールジャパンなハイテクで伝統的で変態日本文化を融合体現したガラパゴスに突き詰めたものを1000億円づつ10施設作った方が観光経済への貢献度は高いのではないのか。全季節人工室内スキー場ザウスみたいなそういう破天荒なのを作って欲しい。