あてもなく5km近く歩き回っていたら、歩行者天国の商店街に出くわした。両側に八百屋、魚屋、肉屋、チーズ屋などが並んでいる。海外旅行は食材を眺めてまわるのが愉しい。
アーティチョーク。仏頭華。とてもフランスっぽいのだが、美味しい食べ方は知らない。
こちらは白アスパラガス。なかなかぶっといな。柔らかいのだろうか。Le Severoで出されたやつは柔らかく甘かった。
網傘茸かね。どんな味がするのだろ。トリュフはないのか。
フランス人もウニを食べるとは知らなかった。棘の小さい品種。寿司屋もちらほら見かけるので買い手はいるのかもしれない。
普通に鯛だと思うのだが、釣り上げたばかりのような目の光。パリはたいして海から近くもないと思うのだがこんなに鮮度の良い魚が手に入るのだね。
手長蝦は茹でられて赤いわけではなく、元から赤い。何せこやつら、ワサワサと脚を動かしてまだ生きているのだから。
ここはもう、地元の人達が専ら買物に使う商店街のようだ。店を綺麗に飾り立てて丁寧に陳列するのは別に観光客へのアピールではないようだ。
大物の鮟鱇と遭遇。深海魚ってやつは陸の上だと腑抜けてだらしない。眼はこのようになっていたのか。
続いて肉屋。Lapinラパンらぱん。兎だな。齧歯類は皮を剥ぐと眼が飛び出し気味だから君が悪い。ふわふわもふもふとした毛皮の下のグロテスク。今度、動物園で兎を撫でる時に、このかわいい兎も皮を剥いだ下はこうなってると想起したら今まで通り愛でれるだろうか。昔の処刑人が果たして生きたままの人間を人として見れたのだろうか。猟奇的な妄想。
おそらく我が家の愛犬マンゴー殿と姿形はおよそ一緒なのだよな。
味付け仕込み肉。このまま焼くだけで美味いのだろう。花は飾りでしかないのだが拘りというか造り手の思いがこもっているように感じる。このままハーブとして一緒に焼くのだろうか。
半年ぐらいフランスに単身赴任するのも悪くないなあ。フランス語がわからずにフランス人に囲まれて勤務するのは軽い拷問に近いのだが、生活環境には興味がある。