総じて強行スケジュールだ。
上海では4日間で33の面談や会議、そして夜には会食。酷い日には1日9つの会議と会食。金曜日は新卒の子と久しぶりにゆっくりとあれこれ話をしながら飲んだら2時になった。
土曜日は夜22時上海発、夜中の3時にデリーを経由して明け方5時半にムンバイ着。ビジネスクラスなのだが、会社の携帯を機上で失った。途中降機した客にすられた可能性が高い。遠隔でデータを消す処理申請やらあれこれに忙殺される。
ムンバイでも会議漬けの日々が始まる。9時から19時まで会議。翌日も9時から19時まで会議、そして会食。その翌日はホテルを7時半に出て別オフィスに行きこれまた18時まで会議の連続。そしてインド担当部下と23時まであれこれ話し込んで終了。
4日目は4時半起きで7時の飛行機に乗りバンガロールへ。バンガロール空港は郊外にありオフィスまで1時間半もかかった。そして5時間会議をして日帰りでムンバイに向けてまた6時間かけて帰る。行きも帰りも飛行機は安定の30分遅延。
最終日は午前中は会議、午後は街に出てひたすら市場視察。所得階層ごとに異なる店を見て回る。そしてそのまま空港へ。帰国便も夜行便で日本には朝の7:50着だ。
いやあ、よう働いたよ、我ながら。でも日本にいる人からしたらあれもこれも滞って勘弁してよ、返事してよ、と思っているかもしれない。隙間隙間に最低限のメールの返信はしたが、日本に帰ったら大量に仕事がたまってるのだろうな。ああ、めんどい。
せめてもと思い、土日にエローラとアジャンタ観光をすることに。
インドの仕事は、こんな問題はインドでしか起きないわな、ということがあったりで厄介極まりない。議論しても紛糾して進まずということもある。
アジャンタやエローラの石窟や仏教芸術を観てインドへの尊敬の念を今一度、感じることができた。そこら中で話しかけてきて、一緒に写真を撮ろうとせがんできたり昼飯に誘ってくれる人懐こいインド人に多く逢ってなんだかインド人を好きだと思えた。
42度の猛暑の中、水をガブガブ飲みながら、シャツに塩の結晶を吹き出させながら石窟や砦の石段を登り降り歩き回った。二週間の上海、ムンバイ出張の後なので肉体的には疲労の追い討ちでしかないのだが、心が生き返った気がしている。
街に出て、旅に出て、なんの関わりもない現地の人に触れて、子供達と笛ラムネで遊んだり、こちらが食べ物をもらって一緒に食べたり、なんてことはないお互いのことを話す。そんなのが精気を取り戻させてくれる。
なんだかインドの人とインドの仕事の為に頑張っていけそうだと実感した。自分の仕事だから、という理屈ではなくインドに愛着が湧き、インドのために頑張ろうと思えることは形式では測れない意義があると思う。こんな勝手を許してくれる嫁に感謝。